リスクおよび対処すべき結果についての先進的な知識に基づき、事業継続管理(BCM)計画立案のための新たな方法を探る。
事業継続管理(BCM:Business Continuity Management)計画は、定められた一連の行動に従うのが従来のやり方だ。プロジェクトが承認されて予算が付くと、リスク評価または事業影響度分析(BIA:Business Impact Analysis)から着手する。会社の考え方次第でどちらを次のステップにしても構わない。BIAやリスク評価を済ませたら、次のステップは復旧や事業再開といった中核的活動のための戦略を立てることだ。万が一の場合にすべきことを把握するため、ここにインシデント管理と緊急対策活動を入れることもある。戦略ができたら事業継続計画は完成だ。訓練、周知、研修、メンテナンス、企業文化への計画織り込み、計画・プロジェクトの見直し・監査がこれに続く。以上のような一連の行動は、現在の事業継続標準全てに盛り込まれている(図1)。これは極めて理にかなっている。しかし、事業継続管理計画の立案において、最も先進的なやり方といえるだろうか。
事業継続管理計画に着手する場合、最終的な結果は通常、前述した行動を全て完了した後になってみないと判断できない。しかし事業継続管理計画に対して求める結果を経営陣が既に分かっている状況、また、その計画で対応しようとしている事態が既に特定されている状況を想定した場合はどうだろう(これは一般的にはリスク評価とBIAの両方によって特定される)。例えば、事業継続管理行動は想定される最悪の事態──例えば会社として機能する能力が破壊されたような場合──に備えるものだと経営陣が決めたとする。本社施設などの主要拠点が失われた場合がこれに当たる。原因は地震かもしれないし、大型のハリケーンかもしれない。
では事業継続管理プロセスを実行する上での代替策を探ってみよう。経営陣(または予算とプロジェクトを承認する人物)が望んでいるのは、事業が真の意味で破壊されたような事態に対応するための計画だとする。例えば本社など事業の中枢拠点が完全に失われた場合に焦点を絞るとする。このような計画と対策をどう立案すればいいのか(図2)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
サプライチェーンを脅かすリスクが増加する今、企業には被害を最小限に抑えるための対策が求められている。サプライチェーンが多層化し、どこかでトラブルが発生するだけで供給が止まる可能性もある中、どのような対策が必要なのか。
ハイブリッドクラウドの運用において、予期せぬコストやガバナンスの問題などに悩まされているIT担当者は少なくない。クラウド管理の課題を確認しながら、その解決策として期待される「ハイブリッドバイデザイン」のアプローチを紹介する。
企業が保有するデータの量が増大する中、データ保護の重要性がますます高まっている。多くの企業が採用するハイブリッドクラウド環境におけるデータ保護の課題を確認しながら、その解決策として期待されるソリューションを紹介する。
ビジネス拡大、競争力強化につながるITインフラ運用モデルとして、ハイブリッドクラウドが有効な解となっている。本資料では、オンプレミスのITインフラをクラウドのように利用できる製品の導入で成果を生んだ企業の事例を紹介する。
ITへの需要が高まり続ける中、IT組織はITリソースを拡張しながら、サステナビリティ目標も達成するという難しい使命を課せられている。この双方のバランスを取りながら競争力を向上できる、効果的な手段はあるのだろうか。
2025年の「IT導入補助金」で中堅・中小が導入すべき2つのツール (2025/3/31)
申請業務のシステム化が難しい理由とその解決策とは (2024/9/27)
運用・管理はお任せ 生成AIを安全に活用できるRPAプラットフォーム (2024/5/16)
オンライン研修で情報処理安全確保支援士の取得と維持を支援 (2024/2/1)
セキュリティ対策にDX 情シスが「やりたくてもできない」状況から脱するには? (2024/1/29)
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。