攻撃者の興味はモバイルにシフトか?
端末内データを勝手に転送──悪質化するAndroid狙いのマルウェア
米Lookout Mobile SecurityとFortinetはそれぞれ、Android端末を標的とした新しい亜種を発見した。徐々に巧妙・悪質化するAndroid狙いの攻撃に対し、ユーザーはどう立ち向かえるか。
セキュリティ企業2社が、米GoogleのAndroid端末を狙った新たなマルウェアを発見した。まだ感染数は極めて少ないが、サイバー犯罪集団がモバイルプラットフォームに移行しつつある傾向がうかがえると研究者は指摘している。
米Lookout Mobile Securityは、DroidDreamの亜種を使ったAndroidの感染アプリケーション4種類を発見した。同アプリに組み込まれたマルウェアは、Androidアプリケーションが実装しているサンドボックスのセキュリティ措置をかわす機能を持っていた。被害者をリダイレクトしてAndroid Marketから別のアプリをダウンロードさせたり、マルウェアを更新するロケーションに誘導したりすることも可能だという。
感染アプリは出現後間もなく削除された。問題のアプリはゲーム2種類と電卓、コンパス/水平器ユーティリティが各1種類あり、Lookoutの推計では最大で5000人がダウンロードした可能性があるという。
同社はブログに掲載したマルウェア/セキュリティ情報で、「まだ分析の途中だが、これらのアプリケーションは最初のDroidDreamと同じ作者によって公開された公算が大きい。新手のマルウェアが見つかったことで、自分がダウンロードするものに注意を払う重要性がこれまで以上に高まった」と解説している。
Lookoutのセキュリティチームによれば、「MobNet」というパブリッシャーが開発したアプリケーションはどれも問題を引き起こす可能性があるという。悪質アプリの1つ「Best Compass & Leveler」は正規アプリの海賊版だといい、同社はユーザーに対し、Android Marketからアプリをダウンロードする前に、そのアプリの開発者をしっかりチェックするよう促している。
モバイル版のマルウェアが現在出回っているマルウェアに占める割合は1%に満たないが、サイバー犯罪集団がモバイルプラットフォームの弱点を付け狙うケースは今後増えるとセキュリティ専門家は予想する。Googleは3月に、研究者がDroidDreamの最初のバージョンを発見したことを受け、50種類以上のアプリケーションをAndroid Marketから削除した。端末からの駆除のため、無線でアップデートの配信も行った。
SymantecのGlobal Intelligence Networkのディレクター、ディーン・ターナー氏はTechTargetのインタビューに応え、企業は従業員がどのようにスマートフォンを使っているかを理解し、端末に重要なデータが保存されているかどうかを突き止める必要があると指摘した。GoogleのAndroid MarketはAppleのApp Storeに比べてオープンであるために、詐欺的な行為にも利用されやすいという。
「悪意を持った人物が証明書に署名して、その後正規のアプリケーションに手を加え、正規のAndroid Marketに投稿してダウンロードさせる可能性は今でも残っている。この分野で悪質な行為が行われる可能性は、恐らくiOSよりもAndroidの方が高い」(ターナー氏)
Zeusの亜種もAndroidを標的に
ネットワークセキュリティアプライアンスベンダーのFortinetは、Android搭載のスマートフォンを標的に設計されたトロイの木馬「Zeus」の新たな亜種を発見した。同社のブログ記事「Zitmo:Zeusのモバイル版亜種」によれば、このマルウェアは銀行アクティベーションアプリケーションを装っているという。
同マルウェアはSMSを使って銀行情報を盗み出すトロイの木馬で、スマートフォンの2要素認証をかわす設計になっている。Android端末の他、Symbian、Windows Mobile、BlackBerryにも対応している。
問題のアプリは受信するSMSを全て傍受して、SMSで送られるワンタイムパスワードを外部のWebサーバに転送する。数カ月前からスマートフォンを標的とするようになったという。Fortinet研究者のアクセル・アプブリル、カイル・ヤングの両氏によると、このマルウェアは犯罪用ツールキットとして販売され、スペインのネットバンキングサービス利用者を狙って出回った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[スパイスファクトリー株式会社] レガシーに消えるIT予算8割 「刷新か延命か」をAIと人で見極めるための手順 -
製品資料
[JetBrains s.r.o.] ソフトウェア開発は「コーディングエージェント」でどう変わるのか? -
事例
[テクバン株式会社] 太陽ホールディングスは国内外拠点の端末5000台をどう管理しているのか? -
事例
[株式会社キーエンス] PCが苦手でも自動化できる ポポラマーマなど4事例に学ぶ「ナビ搭載型RPA」活用 -
製品資料
[株式会社キーエンス] 自分ひとりでデスクワークを効率化 「AI&ナビ搭載RPA」で実践する業務自動化
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
Microsoft 365導入後も稟議は「Excelをメールで回覧」 承認が止まる理由
-
2
米国防総省で300万人分の個人情報が流出 その「意外な原因」と教訓
-
3
PHPはそもそも必要か? 脆弱性で問われる自社サイト安全性と保守負担のバランス
-
4
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
5
PHP2Shellの「事前の情報流出」でパニックに パッチ公開を巡る“混乱劇”
-
6
京王電鉄・東京メトロの被害から学ぶ境界防衛 ITの侵害はどこまで波及するか
-
7
Microsoft 365侵害企業の9割はMFA導入済み 1002人調査で見えた盲点
-
8
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
9
金融・通信で情報漏えいが続出 IPAとJPCERT/CCが情シスに求める緊急点検
-
10
「Copilot」がIT予算を食いつぶす? 高額請求を招く課金体系と節約術
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
3
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
4
10G回線の真価をフルに享受するには? 導入前にチェックしたいポイント
-
5
SCS評価制度時代の「SASE選定」ガイド
-
6
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
7
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
8
「EDR」選定ガイド:比較・検討フェーズで整理すべきポイントを解説
-
9
MDMだけでは防げない? Appleデバイスに潜む5つのセキュリティギャップ
-
10
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー