タブレット端末から社内のMicrosoft Officeを不用意に利用するとライセンス違反になりかねない。前編では、タブレット端末から社内のOfficeをリモート利用する際に必要なライセンスを整理する。
企業での導入が進むタブレット端末において、米Microsoft製品のライセンスに関する新たな課題が生じている。現在のタブレット端末市場は米AppleのiOSと米GoogleのAndroid OSの搭載端末が支配しており、WindowsやMicrosoft Officeを搭載するものは比較的少ない。タブレット端末ユーザーがWordやExcelといったOfficeのファイルを扱う場合、ネットワーク経由で外出先から社内のWindows PCやOfficeにアクセスするか、Officeの代替製品、サービスを利用するのが主要な方法だ。
ユーザー企業にとって理想的なのは、タブレット端末やクライアントPCといった端末の種類を問わず、Office文書の閲覧や編集、保存を従業員が簡単に実行できる環境だ。ファイルやそのバックアップを一元管理したり、複数のユーザー間でファイルを共有できればさらに望ましい。これは簡単に実現できるものではない。だがタブレット端末の導入や利用を進める企業の利便性を考えれば、何らかのベンダーがこの問題にきちんと対処しなければならないだろう。
Microsoftの取り組みは、残念ながらこうした理想的な環境を実現する段階には達していない。タブレット端末でOffice製品群を利用する場合、技術的な制限と恣意的ともいえるライセンス規約により、タブレット端末1台当たり1000ドル以上のコストが掛かる場合がある。従業員のタブレット端末の利用状況を把握していない組織の場合は特に注意が必要になる。Microsoftのライセンス規約にある細かい条項を理解していないと、重大なコンプライアンス違反を犯すことになりかねないからだ。
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