独自の業務プロセスにこだわりが強いとされる製造業でERPの導入が進んでいる。パッケージソフトをどう受け止めて、どう活用しているのか。JFEマテリアルのDynamics AX導入事例を紹介する。
ERP市場で注目を集めているのがマイクロソフトの動向だ。ソフトウェアベンダー最大手で、WindowsでクライアントPC向けOSの市場をほぼ握り、サーバ向けOSでも高いシェアを誇る。そのマイクロソフトが「Dynamics AX」で国内のERP市場に参入したのが2007年。日本マイクロソフトによると国内での導入実績は100社以上に達した。その1社である素材メーカー、JFEマテリアルの導入事例を紹介する。巨大ソフトウェアベンダーのERPはユーザー企業にどう受け止められているのか。
JFEマテリアルは、1999年に日本鋼管富山製造所が分社、独立した会社だ。従業員は約200人で、2011年3月期の売上高は113億円の中堅企業。マイクロソフトのイベントで導入事例を説明したJFEシステムズ 東京事業所 経営管理システム開発部 経理グループ 主任部員の上田昌男氏によると、JFEマテリアルは分社化当時「業務運用に必要な最低限のシステム化だけを行った」。しかし、それから約10年がたちシステムの老朽化が目立ってきたという。それまで使ってきたシステムをアップグレードすることも検討したが、アドオンやカスタマイズが行われていて、アップグレードには多額のコストが掛かることが判明。JFEシステムズが支援し、マイクロソフトのERPである「Dynamics AX」(以下、AX)の導入を決めた。
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