仮想デスクトップインフラにSSDが有効な理由ディスクパフォーマンスの問題を解消する

SSDを活用したストレージは、非常に高価だがIOPSも非常に高い。企業導入が進むVDI(仮想デスクトップインフラ)を展開する際の障害になるIOPSの問題を見事に解決する。

2012年10月01日 08時00分 公開
[Alastair Cooke ,TechTarget]

 ほとんどのVDI(仮想デスクトップインフラ)プロジェクトでは、管理者はユーザーPCの多数の安価なディスクを、データセンターに置かれた少数の高価なディスクでリプレースする。この方式ではストレージのパフォーマンスが問題になるが、ソリッドステートストレージが問題解決に役立つ。

 ソリッドステートストレージは、VDI環境にうってつけだ。単位コスト当たりのストレージトランザクションレートが高いからだ。VDIを導入する前に、あるいはVDIのパフォーマンスに問題が生じている場合は、費用対効果を計算した上で、ソリッドステートドライブ(SSD)が必要かどうか判断するとよい。

VDIのストレージ容量の問題

 VDIストレージで最初にぶつかる問題は「容量」だ。デスクトップをデータセンターに導入する場合、ユーザーPCのディスクをデータセンターのストレージでリプレースすることになる。例えば、500ユーザーがそれぞれ40Gバイトのディスクを使っていたとすると、リプレースされるディスクの合計容量は20Tバイトとなる。これは膨大なストレージであり、特にSANディスクではコストがかさんでしまう。

 だが幸い、米VMwareのリンククローンや米CitrixのProvisioning Serverなどでは、マスターイメージを使ってデスクトップを一元管理できる機能が提供されており、この機能によって多くの容量問題を解決できる。マスターイメージのフルコピーをユーザーのディスクに配布して保存する一方、ユーザーが行った変更を保持することが可能だ。この場合、必要なストレージ容量はユーザー当たり6Gバイト程度となり、500ユーザーの例では、3Tバイト近く増えることになる。

 各ユーザーに専用のデスクトップを割り当てない場合は、VDIで必要なストレージ容量がさらに少なくなる。それぞれのデスクトップの変更を、ユーザーのログオフ後も保持する必要がないからだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news093.jpg

TikTokのトレンドに変化 なぜ「1分超え」動画が見られている?
Bufferのデータによると、TikTokでは最近、長めの動画が人気を集めている。

news136.png

アドビが「10種類のAIエージェント」を発表 顧客体験はどう変わる?
アドビの年次イベント「Adobe Summit 2025」が開催された。初日の基調講演では、アドビの...

news064.jpg

「ブランドは叩かれて強くなる」 ジャガーのCMOが語った炎上の乗り越え方
SXSWで開催された「Female Quotient」のイベントにおいて、Jaguar Land Roverの米国CMOは...