話題になることの多いOpenStackだが、実際のプロジェクトはまだ立ち上がったばかりだ。特に、クラウドプロバイダー間における相互運用性や移植性に関する主張は、一部の支持者による詭弁であることが多い。
OpenStackがこのところ盛んに話題になっている。だが、企業のIT幹部に、このオープンソースのクラウドプラットフォームプロジェクトが自社のビジネスにどのような意味を持つのかを尋ねると、肩をすくめられてしまうかもしれない。
今ではOpenStackベースのパブリッククラウドサービスが提供されており、OpenStackの正式なガバナンス団体であるOpenStack Foundationは最近、米VMwareをゴールドメンバーとして受け入れた。だが、こうしたさまざまな展開が急ピッチで進んでいることから、このプロジェクトの現状や効果を、実務的な観点で整理して理解することが必要になっている。
「有益なことは間違いなさそうだ」と、米国北東部に本社を置く大手保険会社のITディレクター、マーク・シュウォーツ氏は語った。「一般的に、業界標準の採用は、自由度を高めることにつながる。それはわれわれが推進していることだ。ただし、われわれは同時に、VMwareや米IBMのようなパートナーとも一緒に仕事を続けている」
シュウォーツ氏など企業のIT幹部数人は、OpenStackを大まかに知っているが、まだ同プロジェクトについてあまり詳しく調べていないと語った。
「聞いたことはある。まだ評価していないが、することになるかもしれない」と、米国中西部に本社を置く給与処理会社の最高技術責任者(CTO)、ケビン・アーマー氏は語った。
同社は、OpenStackを積極的に提唱している企業の1つである米Hewlett-Packard(HP)の顧客だが、Amazon Web Services(AWS)など、他のクラウドプラットフォームの調査も行おうとしている。
「コストの観点で、最も導入効果が大きいものを見極めたい」(アーマー氏)
企業はOpenStackを慎重に評価すべきだと、最近発表された米Gartnerのアナリスト、リディア・レオン氏のリポートは指摘している。同リポートは、「OpenStackは、広く採用されているオープンな業界標準である」という俗説を否定している。実際には、OpenStackはベンダーとその利害に左右されており、こうしたベンダーの一部は、OpenStackは少なくとも2013年末まで、競合する商用プラットフォームに太刀打ちできないと認めていると、同リポートは述べている。
「ベンダーやOpenStackを利用する顧客は、OpenStackについての公式発言と非公式発言がかなり違うことが多い」とレオン氏は記している。
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