Windows RT vs. Windows 8(vs. iPad)
Windowsタブレット早分かり――新UI、OSの違い、iPadに対する優位性
Windowsタブレットを選択する上で、OSはWindows 8とWindows RTのどちらを選ぶべきか、企業利用におけるメリット/デメリット、iPadに対するSurfaceの競争力などについて有識者に聞いた。
米MicrosoftのSurfaceなど新しいWindowsタブレットは、詳細が少し分かりにくいようだ。各タブレットでできることと、できないことや、企業利用へのそれぞれの適性を見分けるのは大変だ。
タブレット上のWindows RTとWindows 8は、従来のWindowsデスクトップと同様のルック&フィールに加え、タイルベースの新しいユーザーインタフェースを提供する。また、両OSにはMicrosoftのSkyDriveが統合されている。SkyDriveはクラウド型ストレージおよびファイル共有サービスであり、IT部門の管理が全く及ばない。
だが、この2つのOSは、管理性と利用可能なアプリケーションが大きく異なる。幅広いタブレット(OEM製品や初のMicrosoftブランドのタブレット)が市場に出回っていることが、状況をさらに複雑にしている。
Windowsタブレットの主な特徴や、企業利用におけるメリットとデメリット、AppleのiPadに対するMicrosoftのSurfaceタブレットの競争力などについて、(米医療関係企業の)元CIOで現在はフリーランスのテクニカルライターであるブリエン・ポージー氏に話を聞いた。
――タブレット上のWindows 8とWindows RTの違いは何ですか?
ポージー氏 Windows RTはARMプロセッサで動作します。ですから、Windowsストアアプリ(旧称:Metroスタイルアプリ)以外の従来型アプリは、Windows RTでは利用できません。これに対し、タブレット上のWindows 8では利用可能です。また、Windows RTにはMicrosoft Office(Office 2013 RT)が付属していますが、通常のWindows 8タブレットには付属していません。MicrosoftのSurface Proにも付属していないのです。もう1つの違いは、Windows RTタブレットはドメインに参加させることができないのに対し、Windows 8タブレットではそれができることです。
――Windowsタブレットで提供される、デスクトップとタイルを組み合わせたコンボインタフェースについて説明してもらえますか?
ポージー氏 このインタフェースは、MicrosoftがWindowsストアアプリのために採用しているものです。タッチスクリーンでは非常にうまく機能します。しかし、見た目にちぐはぐなところがある他、われわれが使い慣れている従来型の一般的なWindowsアプリにはあまりそぐわないという問題があります。
通常、これらのアプリケーションにはデスクトップモードでアクセスしなければなりません。Windowsストアアプリとこうしたレガシーアプリを併用する場合、Windowsストアアプリやスタート画面とデスクトップモードとの間を頻繁に行き来する必要があります。
――タブレット上のWindows 8とWindows RTは、どちらが企業での利用に適していますか?
ポージー氏 タブレットをどう使うかによります。Windows RTには、Microsoft Officeが付属するという利点があります。これは、一般的なWindows 8タブレットにはない利点です。この利点のおかげで、企業はライセンスコストを大幅に節約できる可能性があります。一方、社内の管理ソフトウェアか何かのために、タブレットをドメインに参加させる必要がある場合には、当然のことながらWindows 8を選ぶことになります。
もっとも、最近では、非常に多くの企業が私物端末の業務利用(BYOD)を行っており、ドメインに参加していないマシンがネットワークリソースに接続できるように、準備している企業もたくさんあります。このため、いずれはWindows RTが非常に有効な選択肢になるかもしれません。
――SkyDriveの統合についてはどう見ていますか?
ポージー氏 企業利用の観点では、SkyDriveはユーザーの直接の管理下にあるという難点があります。Microsoftは、集中管理が可能なSkyDriveの企業向けバージョンをいずれは提供しなければならないでしょう(関連記事:Windows 8とSkyDriveの統合で高まるセキュリティリスク)。
SkyDriveは現時点では、ユーザーが出先でも仕事ができるように、ドキュメントの保管場所としてのみ使うことが、ほとんどの企業にとって得策だと思います。もちろん、例外もあるでしょう。強い規制を受けていて、非常に厳しいセキュリティ要件がある業界の企業では、特にそうです。
――SurfaceタブレットがAppleのiPadに対して競争力を持ち、かつエンタープライズフレンドリーにはなり得ますか?
ポージー氏 私はSurface RTタブレットを発売日に手に入れました。とても愛用しています。ちなみにiPadは持っていません。
技術的な観点では、Surfaceタブレットの機能や性能は全て、iPadに引けを取らないと思います。むしろ、恐らくSurfaceの方が上でしょう。Microsoftが今抱えている大きな問題は、マーケティングで負けていることです。
Surfaceが発売される前から、消費者は多かれ少なかれ、iPadこそがクールなものだと決めてかかっていました。MicrosoftがSurfaceを成功させたければ、同社にとっては厳しい現実であるこうした根強いiPad人気に対抗しなければなりません。
30年前、PCは目新しいものでした。今のiPadのようなはやりものだったのです。しかし、多くの人が使うようになり、やがてPCは広く浸透しました。Microsoftにしてみれば、今こそマーケティング競争に本腰を入れなければ、iPadが同じ道をたどることになりかねません。
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