ビル&メリンダ・ゲイツ財団は、米Salesforce.comのRadian6を活用してソーシャルメディアを通じた財団の活動促進を図っている。
米Microsoftの創業者ビル・ゲイツ氏がメリンダ夫人と設立したビル&メリンダ・ゲイツ財団(以下、ゲイツ財団)は、1994年の設立以来、280億ドルを米国や発展途上国での慈善活動に寄付している。零細農家の収入拡大からアフリカ全土でのマラリア対策に至るまで、取り組んでいるプロジェクトはさまざまだ。
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近年は、財団が取り組んでいる問題についての広報にソーシャルメディアを利用している。だが、ソーシャルメディアのけん騒の中でその声を届けるのは大変な仕事だ。
「ソーシャルメディアはカクテルパーティのようなものだ」と話すのは、同財団の上級広報担当官のセバスチャン・マジュースキー氏だ。「大勢がグループに分かれて、ここでは政治、あちらは健康、あそこは音楽といった具合に、思い思いの話をしている。その数あるグループの1つに加わらなくてはならない」
「しかしそのためには、価値を付加しなければならず、それがNPO(非営利団体)の目標になる。つまり、グループの話に耳を傾け、理解した上でグループに加わり、価値のある情報を提供するのだ」
しかしグループに加わるには、Facebook、Twitter、LinkedIn、Instagramなど各種ソーシャルネットワークのアクティビティをモニターして、足跡を残さなければならなかった。マジュースキー氏は、続けて説明する。「ソーシャルメディアは非常に流動的でもある。短時間のやりとりで、1つの問題に対してすぐに答えを出そうとするメンタリティが特徴的だ。そのため、正しい方向に話をするには、正しいタイミングで正しい場所に参加する必要がある。タイミングと場所を間違えば、誰とも交流できず、誰も反応しない」
ゲイツ財団は、米Salesforce.comのRadian6を選んだ。Radian6の分析ツールを使って、複数のイベントからキーワード、ハッシュタグ、言及、特定のユーザーを拾い上げ、収集したデータを使ってその後の各種ソーシャルメディアチャネルでの影響力を拡大していく。
「ソーシャルメディアデータの素晴らしい点でもあり、難しい点でもあるが、ソーシャルメディアデータでは質的調査の深みが得られる上に、定量的データと同じ規模と多様性も備えている。問題は、データの質だ。ノイズが多いが、影響力を見るには量を求めるだけでなく、質の高い言及を集める方が良いことを学んだ。かつては量に注目していたが、現在は50万件の言及を拾うよりも、質の高い少数の会話を抜き出したいと考えている」と、マジュースキー氏は語る。
Radian6は、広範にわたって言及をスキャンすることも、特定の地域、言語、さらにはイベントに対象を絞って、財団のソーシャルメディアチームが本当に欲しいフィードバックのみを引き出すこともできる。ソーシャルメディアチームはそれを基に、うまく話題に乗せてメッセージを拡散するために必要なトレンドを調べたり、財団の取り組みのオンラインでの影響力を確認したりできる。
「Radian6の情報や生データを使って抽出した結果のグラフや分析を基に、効果がある取り組みとそうでない取り組みについて洞察が得られる」とマジュースキー氏は説明する。「そこからレコメンデーションを生成し、それを踏まえてメッセージを作成するチームに情報をフィードバックする。そしてまた効果のほどを追跡して、この一巡の流れを繰り返す」
「以前は、いつどんな内容が投稿されたかも、何をモニターすべきかも分かっていなかった。今はデータがあり、それを使って財団の活動を後押しできる」
この取り組みを進める中で、幾つかの問題があった。
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