昨今のクラウド時代においてはすっかり定着した仮想化テクノロジー。現在、Microsoftは仮想化においてWindows Serverの一機能としてHyper-Vを提供している。仮想化における概況とMicrosoftの仮想化の歴史を解説する。
連載インデックス:Windows Server 2003ユーザーのためのHyper-V解説
2014年4月9日(日本時間)をもって、10年以上にわたって提供されてきた「Windows XP」のサポートが終了した。そして、2015年7月14日には、「Windows Server 2003」および「Windows Server 2003 R2」のサポートも終了する予定である。多くのITプロの方にとっては、Windows XPの次に Windows Server 2003のリプレースが控えているという状況だと思う。
Windows XPにしてもWindows Server 2003にしても10年以上前にリリースされたOSだ。これまでの目まぐるしいIT環境の変遷を振り返ってみると、同OSを取り巻く環境もかなりの変化をしてきたことは明らかだ。常時接続のブロードバンドが普及し、さまざまなアプリケーションが開発・活用されたことで(OSの)ユーザー数が増え、こうしたユーザーに対しての悪意を持った攻撃が多様化してきた。また、OSを載せるハードウェアも大きく進歩し、大容量のメモリやディスク、マルチコアのプロセッサも一般的になった。OSというソフトウェアを取り巻く環境が、当時と大きく異なる状況になっている。ITインフラという観点まで視野を広げると、仮想化の技術が発展・普及し、さらには仮想化をバックボーンとするクラウドが普及してきているという状況にまでなっている。
こうした背景を鑑みると、ソフトウェアにも一般的な製品と同じく有効期限やサポートのライフサイクルがあり、古い時代に購入したものをこの先もずっと使い続けることはできないのが現実である。
本連載では、Windows Server 2003ユーザーを主な対象として、今後の対応の参考になるものとして、既に普及期を迎えつつあるMicrosoftの仮想化テクノロジー「Hyper-V」に関する説明をするものである。また、筆者の現在の専門分野がクラウドであることから、同じくMicrosoftが提供するクラウドサービスである「Microsoft Azure」や統合管理プラットフォームである「Microsoft System Center」を含んだ“Cloud OSビジョン”に基づいた説明も加えていきたい。連載を読み進めるに当たって、背景として頭の片隅に置いていだけるとありがたい。
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