SAPジャパンは、「SAP HANA」のサービスパック8(SP8)の提供を開始した。「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)対応、予測解析機能の強化、クラウド連係などを実現している。
SAPジャパンは2014年6月6日、「SAP HANA」のSP8を提供開始した。SP8では、HANAを稼働させる認定OSとして、これまでの「SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applications」に加え、有償Linuxとして日本で高いシェアを持つ「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)をベースとした「Red HatEnterprise Linux for SAP Applications」を採用。また、「Intel Xeon E7v2」(開発コードネーム: Ivy Bridge-EX)プロセッサベースのシステムや複数のサードパーティーが提供する高可用性およびディザスタリカバリ(災害復旧)製品に対応。さらに20社に拡大したクラウド認定パートナーネットワークなどの活用で、HANAの導入をより迅速に進めることを可能にしたという。
HANAはパートナー企業であるベンダーのハードウェアと組み合わせて提供するアプライアンス製品だ。大規模なデータベースからデータを吸い上げてインメモリ技術で高速処理し、分析できるのが特徴で、SP8では予測解析やBI(ビジネスインテリジェンス)などの機能を強化している。また、データ視覚化ソフト「SAP Lumira」と組み合わせた利用も可能で、リアルタイム分析機能を活用できる。
将来的には、SDK(ソフトウェア開発キット)を用いた拡張もできるようになり、予測モデルスコアリング機能など、より高度な分析機能をHANA内部に組み込むこともできるという。これにより、高パフォーマンスを実現しつつ、分析データの準備作業でデータを重複して持つ必要がなくなるなど、HANAの管理作業をシンプルにし、ユーザー企業のTCO(総所有コスト)削減にも貢献するという。
今後は、クラウドとオンプレミス双方のシステムのデータやプロセスを連係する「SAP HANA Cloud Integration」(HCI)を活用し、SAP製と他社製とにかかわらず、幅広いシステムのデータとプロセスの連係を可能にしていく。また、データ統合とデータ品質管理を単一の基盤で提供する「SAP Data Services」との連携を強化。データ分散処理ソフト「Apache Hadoop 2.0」とのデータ連係も可能にした。さらに、ジョブ監視用ダッシュボードを用意したり、データ管理ソフト「SAP Information Steward」内での認証規則やビューの定義を簡単にするといった強化点がある。
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