本番環境におけるサーバの高可用性(HA)を確実にしたい場合、混乱を招くリスクを冒してでもサーバの高可用性をテストした方が良いのか、それともシステムの信頼性を信じた方が良いのだろうか。
サーバなどのITシステムが高可用性(HA)構成になっている場合、そのシステムは事業運営に重要と見なされているということだ。つまり、HAサーバがダウンすれば、事業にマイナスの影響が及ぶことになる。それならば、HAサーバはテストすべきなのだろうか。2人の専門家の意見を紹介する。
高可用性(HA)をどのように検証するかはクラスタサーバに固有の問題だが、HAテストについては一般的な原則に従うのが得策だろう。
HAテストの頻度を判断するには、以下の2つの懸念についてバランスを図る必要がある。
多くの企業にとっては、どちらの影響も「大きい」はずだ。システムが停止しては困るが、テストの失敗も避けたい。それならば、適切なバランスを見つけるしかない。
予算が許せば、シャドーシステムを構築し、HAサーバ環境をミラーリングするといい。シャドーシステムには、サーバの他、スイッチ、ファイアウォールなど、本番環境に存在するあらゆるHAインフラを含める。ミラーリングの設定には、OSのソフトウェアバージョンからドライバまで、全て本番環境と同一のコンポーネントを使用すること。こうしたテスト環境を用意して高可用性をテストする分には、たとえそれが毎日だとしても、テストの失敗が実際の本番環境に影響を及ぼすことはない。
ただし、テスト用のシャドーサーバを用意していても、本番サーバのテストは必要だ。私のお勧めは、「定期的なHAテストに加え、システムのハードウェアやソフトウェアに何か大きな変更や更新があった場合にその都度HAサーバをテストする」という2本柱の戦略だ。
本番環境のHAサーバをテストしてユーザーに混乱が生じる場合の対応はビジネスマネジャーに任せるといい。テストの間隔を長くすれば、その分、高可用性対策がうまく機能しない可能性は高まる。本番環境のテストは少なくとも四半期に1回は実行すること。さらに、HA環境に何か重要な新しい要素やコンポーネントやソフトウェアバージョンを導入した場合は、HAテストを計画し、そのアップグレードが高可用性の仕組みに悪影響を及ぼしていないかを確認する必要がある。
私がHAクラスタに干渉するのは唯一、パフォーマンスの問題が生じたときだけだ。そのような場合は幾つかのテスト項目を実行して、問題の原因を突き止め、解消する必要がある。
HAクラスタにどの程度のサービス品質(QoS)を期待するかにかかわらず、テストはそう頻繁に実施する必要ない。理由は以下の通りだ。
ケビン・トリー氏は、サードパーティーの検証・テスティングサービスを提供する米The Tolly Groupの創始者。また、ITベンダーおよびエンドユーザー企業向けに調査サービスを提供する米Tolly Researchの創始者・CEOでもある。
ジョー・クラビー氏は、米調査会社Clabby Analyticsの代表で、IT業界において32年以上に及ぶマーケティング、調査、分析の経歴を持つ。同氏はアプリケーションのリエンジニアリングサービス、システムおよびストレージの設計、データセンターのインフラや統合サービス管理の専門家でもある。各種テクノロジーについて徹底した技術リポートを発表し、仮想化、プロビジョニング、クラウドコンピューティング、アプリケーション設計など多くの分野で助言を提供している。
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