徹底レビュー:口うるさいベテランも驚く2-in-1「ThinkPad Yoga 260」の心地よさまさにこれぞThinkPadクオリティ(2/3 ページ)

2016年03月13日 07時00分 公開
[Jerry JacksonTechTarget]

ディスプレイとスピーカー

2048階調の筆圧検知に対応するThinkPad Pen Pro アクティブペン

 全てのモデルが12.5型マルチタッチディスプレイを搭載し、上位構成モデルの解像度は1920×1080ピクセルに達する。タッチスクリーンは高精度な10ポイントの同時マルチタッチジェスチャをサポートする。液晶駆動方式はIPSを採用するので視野角は広い。ただ、最近のノートPCで多い狭額縁タイプではなく、ディスプレイ周りのベゼルの幅が広い。確かに、タブレットモードで使用するときにタッチスクリーンをアクティブにしないためにベゼルの幅は必要だ。だが、同じ領域に13.3型ディスプレイを搭載しても親指で持つのに十分なスペースを確保できるはずだ。

 付属する「ThinkPad Pen Pro」アクティブペンは、2048階調の筆圧検知に対応する。また、アクティブペンをホルダーに収納すると急速で充電できる。

 工場集荷時からインストールしてあるアプリ「WRITEit」でThinkPad Pen Proが利用できることを確認できた。WRITEitにアクティブペンを使って入力できる手書きの文字は、ドキュメントやWebページのフォームにある標準のテキストフィールドに貼りつけることができるテキストデータに瞬時で変換できる。Adobeの「Photoshop Creative Suite」でも申し分なく機能した。唯一の小さな不満は、長時間使用するにはペンが少し細すぎて短いことだ。30分以上使用したところ、手がけいれんし始めたほどだ。

 本体内蔵ステレオスピーカーの音質は良好だ。音のひずみが目立つことなく、広いオフィスでも十分に音が行き渡る。Lenovoは、Dolbyのオーディオ処理ソフトウェア「ドルビーデジタルプラス」を採用して、音声の再生品質を向上している。Netflixの動画をストリーミングしているときにDolbyのソフトウェアを無効にすると、音質の変化にすぐ気付くだろう。

キーボード、タッチパッド、TrackPoint

 ThinkPad Yoga 260のキーボードは、アイソレーションキーボードの進化形だ。デスクトップPC向けキーボードの感触を再現するべく、キーの表面は湾曲している。主要なキーのキートップサイズは15×15ミリで、キーの下側は湾曲し、各キーの間隔は3〜4ミリを確保している。キーストロークは、約2ミリと浅いが、十分な押し下げ感があり、下まで押し下げるには低価格ノートPCのキーボードよりも強く押さなければならない。その結果、非常に快適であるだけでなく、入力ミスも少ないキーボードに仕上がっている。

 キーボードにはLEDバックライトを内蔵しており、輝度を2段階で設定できる。暗い部屋で文字を入力する場合でも、多くの人は低レベルの輝度で問題ないだろう。

 このキーボード最大の特徴は、キーボードを囲むデッキを支える機構だ。ディスプレイユニットを360度まで開いてタブレットモードにすると、キーボードの周辺がせり上がり、キートップとぴったり同じ高さになる。この機構のおかげで、タブレットモードで使用しているときに誤ってキーを押すことはない。

 ほぼ全てのThinkPadと同様、ThinkPad Yoga 260には、標準のタッチパッドとTrackPointを搭載している(TrackPointはキーボードの真ん中にあるThinkPadを象徴する赤い突起状のスティックデバイスだ)。多くのユーザーは、最初のうちTrackPointをうまく使えない。だが、数週間後には、TrackPointを気に入るという。

アイソレーションタイプのキーボード(写真=左)。タブレットモードにするとキーデッキがせり上がってキートップと高さをそろえる(写真=右)

 ThinkPad Yoga 260のボタンがないClickPadは、最悪ではないものの、快適とも言い難い。左クリックの操作を意図してClickPadの表面を押したときに、右クリックの操作を実行することがある。同様に、右クリックを意図しているときに、左クリックとして検知してしまうこともある。この問題はSynapticのドライバでデフォルト設定を調整して、ClickPadによる左クリックと右クリックの識別率を上げると多少緩和する。ただし、この問題を完全に解消することはできない。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news124.jpg

集客装置としての「イカゲーム」(無料eBook)
残酷なシーンが多いことで知られる作品なのに世界のブランドはなぜタイアップしたがるの...

news117.png

2025年の広告・マーケティング予算、「増加」企業の割合は?
コムエクスポジアム・ジャパンが企業のマーケティング活動における予算や主要な関心事を...

news055.jpg

トランプ大統領にすり寄ってMetaが期待する「ごほうび」とは?
Metaが米国内でファクトチェックを廃止し、コミュニティノート方式へ移行する。その背景...