AWSとAzureのリージョン選定は入念に
そのアプリとデータはどこにある? クラウドでも“場所選び”が重要になる理由
AWSやAzureなどのパブリッククラウドにとって、所有するデータセンターの数は競争の重要な要素だ。ただし、各クラウドのリージョンは単純に比較できるものではない。
クラウドコンピューティングの世界において、リージョンは「アプリケーションとデータが存在する物理的な場所」を指す。大抵の場合、企業のIT部門はクラウド事業者の選択に加えて、クラウドリソースを配置する場所を選ぶ必要がある。そのためには入念な計画が必要となる場合もある。
リージョンについて理解しなければならない理由は十分にある。まず、リージョンの選択次第では、IT管理者はデータの国外持ち出し(この場合はリージョン外への持ち出し)を規制する法律に抵触しかねない。またネットワークレイテンシが各リージョンのパフォーマンスに与える影響について、アプリケーションの構成や要件の観点から検討する必要がある。
例えば、「Amazon Web Services」(AWS)は「Amazon Elastic Compute Cloud」(Amazon EC2)や「Amazon Simple Storage Service」(Amazon S3)などのインスタンスの作成時にユーザーにリージョンとアベイラビリティゾーンの選択を求める。IT管理者はレイテンシやコンプライアンスの問題に最も適切に対処できるリージョンを選択する。
複雑な話に聞こえるとすれば、実際にそうだからだ。
AWSはサービスによって可用性が異なるが、いずれにしても特定のリージョンとアベイラビリティゾーンを利用する。従って、クラウドの利用計画を立てる際にはリージョンについて確認しておいて損はない。リージョンの選択はAWSの利用計画を立てる上で重要な要素であり、コスト削減やクラウドアプリケーションのパフォーマンス改善にもつながる。
AWSのサービスには、ID管理サービス「AWS Identity and Access Management」(IAM)のように、リージョンの指定をサポートしないものもある。その場合、エンドポイントにリージョンは含まれない。またAmazon EC2など一部のサービスにおいて、特定のリージョンを含まないエンドポイントを指定すれば、エンドポイントはAWSによって最適なリージョンにルーティングされる。こうしたルーティングは必ず追跡する必要がある。どのリソースがどのリージョンに存在しているのかが、すぐには分からないこともあるからだ。
グローバルな拠点展開という点では、Microsoft AzureとAWSはほぼ同等だ。新しいリージョンを相次いで開設し、状況は常に変化しているが、現時点ではAzureがAWSよりも多くの地域に拠点を置いている。例えば、インドはその1つだ。さらにMicrosoftは、どのリージョンを選べばベストパフォーマンスを引き出せるかをユーザーが自分で判断するための手頃なツールも提供している。
ただしレイテンシは多くの場合、アプリケーションが他のアプリケーションやデータとやりとりする際に発生する。前述のAzureのツールはそうした複雑な要素まで反映するものではない。
AWSを利用するIT管理者は、どのリージョンをどのサービスに使うかを計画する必要がある。利用計画の出発点としては、まずアプリケーションとデータストレージの要件を確認するといい。その上で、必要なサービスを選択し、その実行に最適なリージョンを選択する。一般的にアプリケーションは、そのアプリケーションを使用するプライマリグループと関連データの近くに置くべきとされている。そうすることで、レイテンシを減らし、アプリケーションのパフォーマンスを最適化できるからだ。さらにリージョンの計画では、法的な問題にも留意する必要がある。
AWSもAzureも、アプリケーションとデータにとって最適なリージョンを選択できるよう、積極的にユーザーをサポートしてくれるはずだ。ただし、自社のアプリケーションとデータについて一番よく理解しているのはIT管理者だ。従って、最終的な判断はIT管理者が下す必要がある。
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