ブロックチェーンのビジネス活用術
「ブロックチェーン」を政治に生かすと“ウソつき議員”を無給にできる?(1/2 ページ)
仮想通貨で利用される「ブロックチェーン」を他の用途に応用する動きが広がっている。世の中を大きく動かす可能性を秘めた、ブロックチェーンの応用先を見ていこう。
「ブロックチェーン」は、「ビットコイン」をはじめとする仮想通貨(暗号通貨)の基盤となっている分散型台帳で、仮想通貨以外にも多くのユースケースに役立つと考えられている。Tapscott Groupの創立者で、コンサルタントとCEOを務めるドン・タップスコット氏によれば、「ブロックチェーンは富が生み出される仕組みを変えることで、地球規模での富の再分配を約束している」という。
2016年5月に発売された書籍『Blockchain Revolution』の著者であるタップスコット氏は、米国ワシントンDCで開催されたブロックチェーン関連イベント「DC Blockchain Summit」で講演した。その講演で同氏は、ブロックチェーンが技術の有無による格差やデジタル経済が生み出す社会の不平など、社会における大きな問題をどう解決するかについて語った。
本稿では、タップスコット氏が説明した根本的な変化の一部を紹介する。
モバイル決済システム:グローバルにもたらされる何十億もの富
タップスコット氏は、ブロックチェーンによって銀行口座を持っていない(主に発展途上国の)数十億の人々がデジタル経済に参加できるようになると予測する。「彼らは携帯電話からピアツーピア(P2P)ネットワーク経由で金融取引をして、デジタル経済に加わるだろう」
現在でも、銀行口座を持たない人が、ケニアで運営されている「M-PESA」のようなモバイル決済システムを経由して、通信会社に支払った通貨を使って携帯電話から金融取引をすることは可能だ。だが通信会社で問題が起きた場合、顧客は自分の資金を失う恐れがある。一方ブロックチェーンベースのモバイル決済システムでは、取引を実行するサードパーティーを経由せずに直接送金できる。そのため資金を失うリスクから解放される。
その結果、以前は銀行を使えなかった人々が、デジタル経済に足を踏み入れられるようになる。
財産所有を記録する権利を守る
ブロックチェーンは幅広いトランザクションの記録に用いることができる。例えば財産所有や出生、結婚、成績などの各種記録に加え、パスポート、運転免許証など不変の記録だ。
タップスコット氏は、特に財産所有記録の課題について注意を促す。同氏によると、土地を所有している(と考えている)人の70%は、薄っぺらい紙の権原証書(不動産などの所有権があることを証明する文書)を持っているという。紙で保有しておく理由は、「多くの政府の権原譲渡記録システムは、簡単に崩壊し得るからだ」と同氏は指摘する。
「政権を握った独裁者が『あなたは証書を持っているかもしれないが、残念ながら、政府のシステムでは私の友人がその土地を所有していることになっている』と通達するかもしれない。土地の権原証書がなければ、その土地を担保にローンを組むことはできない」とタップスコット氏は語る。これは世界中で見られる深刻な問題だという。また自分の土地を独裁者に奪われて、自分の土地に賃料を払わなければいけないのも大きな問題だと同氏は指摘する。
シェアエコノミーの企業が実際に共有するもの
民泊サービスを提供するAirbnb、自家用車の相乗りサービスを手掛けるUberなどの企業は「シェアエコノミー(共有経済)」の見本として捉えられることが多い。だがタップスコット氏はその特性描写を批判し、「これらの企業はサービスを共有しているのではなく、金もうけをしている“サービスの集合”だ」と強調する。
ブロックチェーンは実際に共有することに基づいた経済を作る一助となる。タップスコット氏は以下のように説明する。「Uberという企業がしていることの大半は、ブロックチェーンの分散型アプリケーションによる一連のトランザクション処理で実現できる。Uberと異なり、当社はドライバーやコミュニティー、企業が所有する共同体、あるいは誰にも所有されない共同体を作る」
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