差別化に取り組むコロケーション事業者
IT担当者が注目すべき「コロケーション市場」、3つのトレンド(1/2 ページ)
コロケーション市場は競争が激化し、プロバイダー各社は新機能追加でしのぎを削っている。IT担当者が特に注目すべき新サービスとして、クラウド接続関連サービス、自然エネルギー関連サービスなどを紹介する。
自社でデータセンターを持つ代わりにコロケーションを利用する企業が増えている。コロケーション施設には、コスト削減やデータセンター業務の負担軽減、障害復旧計画の充実というメリットがある。
コロケーション市場は急成長しており、451 Researchのデータによると、2015年のコロケーションサービスの売上高は過去最高の270億ドルに達したという。米国市場の競争は特に激しく、カナダのStructure Researchのデータセンター&クラウドマーケットインテリジェンス担当リサーチディレクターを務めるジェーブズ・タン氏によると、シリコンバレー、ダラス、シカゴ、ニューヨーク&ニュージャージー、ノーザンバージニアの5地域では飽和状態になっているという。
業界が成熟する過程で合併・買収が進むのは自然な成り行きだとタン氏は話す。最近の動きとして、CenturyLinkはLevel 3 Communications買収資金を獲得するために、所有する全てのデータセンターポートフォリオを売却する計画だ。
「20社ほどの主要プロバイダーが健全な速度で買収を進めていけば、顧客の多くの要求に応えられる地理的スケールを確保できるようになる」(タン氏)
厳しい競争と活発な動きを背景に、コロケーション事業者は従来のホスティングサービス以外にさまざまな手を打って差別化を図っている。新規顧客を獲得する手段の1つは、新しい機能やサービスを提供することだ。そうした新トレンドを3つ紹介する。
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1.自然・再生可能エネルギー
気候変動に関する意識と関心の高まりを受け、コロケーション施設でも自然・再生可能エネルギーの活用を重視する流れがあり、天然資源の豊富な地域でその傾向が特に強くなっている。IDCのデータセンタートレンド&ストラテジー担当リサーチマネジャーを務めるケリー・クイン氏は、2017年に入れば自然エネルギーの重要性は一層大きくなり、企業の提案要求に持続可能性が加わることになると予測する。
コロケーション事業者のHydro66は2015年、低コスト、高スケーラビリティを実現する水力発電採用データセンターをスウェーデンに開設した。またスコットランドでは電力の100%を再生可能エネルギーで賄うデータセンターが建設中だ。
コロケーション業界で自然エネルギーの採用が始まったのは2014年ごろだ。その2年ほど前「ハリケーン・サンディがニューヨークを直撃し、ニューヨーク近辺のデータセンターは送配電網とディーゼル燃料補給の両方に壊滅的な被害を受けた」とクイン氏は話す。ハイパースケールデータセンターを運営するMicrosoftやAmazon Web Services社は、米北西部を中心に水力発電などの自然エネルギーを利用するデータセンターを建設し、再生可能エネルギー導入の流れに先鞭をつけた。
「プロバイダーはカーボンフットプリント(温室効果ガス排出量)を意識しなければならない。(顧客となる公開企業にとっては)ITフットプリントとして自然エネルギー戦略を進めるプロバイダーと取引しているとみられることが重要だ」とタン氏は話す。
ミクロレベルで見ると、自然エネルギーを採用するコロケーションは、顧客企業の環境保護イニシアチブの社内要請に応えるものとなる。マクロレベルで見ると、再生可能エネルギーのトレンドは、米国の送配電網の代替策となるとクイン氏はいう。
「通常の電力供給が止まった場合にデータセンターの可用性とアップタイムを維持する手段となり、状況次第では通常の電力より低料金になる」(クイン氏)
2.相互接続環境
多くのコロケーション利用企業がITインフラの一部のみをオンプレミスに置くハイブリッド環境に移行した結果、必要なコンピューティング容量の急上昇時にパブリッククラウドバーストが可能であることが重要となってきている。例えば、通常時のアクティビティはコロケーション施設で対応し、年末商戦など必要容量が一時的に増大する期間中のみクラウドにバーストすることが必要になるとタン氏はいう。
これに応えるように、コロケーション施設は相互接続を重視し始め、公共インターネットを使わない専用接続でパブリッククラウドにつないで高パフォーマンス、高セキュリティを提供するようになってきている。EquinixやDigital Realtyのコロケーション施設では、パブリッククラウドへの相互接続がサービスとして登場しており、この機能がコロケーションプロバイダーの成否を左右しつつある。卸売/小売りコロケーション最大手のEquinixは相互接続に基づくプラットフォームを構築したとクイン氏は話す。
「実際に利用するサービスプロバイダーやキャリアに簡単に接続できるから、その中のコロケーションフットプリントは実質的には無意味になる。つながりたい人とつながることができるというわけではない」とタン氏は述べ、その状態を「Facebook」や「Instagram」のようなアプリケーションに接続する機能のないスマートフォンに例えた。
顧客が接続したいものがマネージドサービスプロバイダーであろうと、クラウドセキュリティプロバイダーであろうと、あるいは分散サービス拒否プロバイダーであろうと、相互接続を介してサービスにアクセスできる。
またクイン氏によると、相互接続はパブリッククラウドがコロケーションサービスに及ぼす長期的な脅威を緩和するという「意図せぬ付随効果」をもたらす可能性もあるという。
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