長年の議論に終止符は打たれるか
「Xen」と「KVM」 2大ハイパーバイザーのどちらを選ぶべきなのか?
「Xen」か「KVM」かという論議は、どちらを主要ハイパーバイザーにするかという選択を管理者に迫る。それぞれどのような特徴があるのか。
長年にわたってオープンソースの仮想化分野では、ハイパーバイザーといえば「Xen」か「KVM」かという議論がなされてきた。Xenの概念はケンブリッジ大学(University of Cambridge)が最初に打ち出した。2013年からはLinux FoundationがXenのプロジェクトを統括するようになり、責任を持って開発を主導している。
Citrix SystemsとOracleはいずれも、仮想化製品の基盤要素としてXenを採用した。CitrixはXenをベースにしたサーバ仮想化製品「XenServer」の他、「XenApp」「XenDesktop」など同社の仮想化製品にXenの名称を採用してきた。最近、同社はハイパーバイザーの名称を「Citrix Hypervisor」に変更し、オープンソースのXenと区別している。
KVMとXenの大きな違い
Xenは仮想マシン(VM)の管理機能やデバイスドライバを含む管理用VMと、最小限の機能を持ったハイパーバイザーで構成される「マイクロカーネル」型のアーキテクチャを採用する。管理用VMのOSは汎用(はんよう)OSのため、幅広いハードウェアで実行できる。
KVMはLinuxカーネルに組み込まれている。これはKVMの利点の一つだと言われている。Linuxの新しいリリースが公開されれば、KVMの不具合の修正やセキュリティアップデートも提供される。
Xenは主にCitrixとOracleが支持している。KVMはIBM傘下のRed Hatに加えて、Linuxカーネル開発チームが総力を挙げて支援している。IT管理者もベンダーも、Amazon Web Services(AWS)が主なハイパーバイザーとしてXenからKVMへと積極的に移行し始めたことを考慮して、そのサポートを利点だとみなしている。
ハイパーバイザー選択に影響する要因
KVMかXenかという選択は、最終的にはIT管理者の主要インフラによって決まる。OracleとCitrixは多数のユーザー企業を擁し、主要ハイパーバイザーとしてXenを後押ししている。Red HatやSUSE、Canonicalは、各社のLinuxディストリビューションで実行するハイパーバイザーとしてKVMをサポートしている。クラウドでもIT管理者は、CitrixやOracleが提供するXenベースのサービスか、AWSやGoogleが提供するKVMベースのサービスかという同様の選択を迫られる。
ハイブリッドクラウドやオンプレミス型プライベートクラウドの人気が高まっていることも、重要な要素として考慮する必要があるだろう。もしIT管理者がこれらについて検討しようと決めているのであれば、既存の仮想化ソフトウェアのことを理解して検討し、自社が採用するクラウドサービスとの親和性について調べなければならない。
クラウド選択によって変わる優位性
AWSはXenからKVMに移行しつつあるが、今もCitrixとの良好な関係は保っている。適切なハイパーバイザーの選択、そしてベンダーの選択は、究極的にはケースバイケースの判断になる。
「自動化」は大規模仮想化プロジェクトを管理するための主な手段だが、その実現のためには誰かがコードを書く必要がある。そうしたコード開発のニーズを理解してその計画を立てることは、何よりも人材にかかっている。
望ましいハイパーバイザーを選ぶIT管理者の判断には、さまざまな要因が絡む。例えば新しいプロジェクトのためのクラウドベンダーにAWSを選ぶのであれば、KVMへと舵を切る公算が高くなる。
CitrixまたはOracleの製品を利用しているIT管理者が、システムのクラウド移行を検討するのであれば、Xenに目を向ける公算が最も大きい。賢明な選択をするために、IT管理者は現在の特定のベンダーへの依存状況について十分認識し、自社のITプロジェクトがどこへ向かうのかに関してはっきりとした展望を持つ必要がある。
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