「Window 10X」が登載する機能の全容は見えていない。Window 10Xはデュアルディスプレイ搭載デバイス向けの「Windows」の新バージョンだ。Microsoftは2020年秋の提供開始を計画している。この新OSの登場は、広く普及しているWindowsにどのような影響をもたらすのだろうか。
通常のWindowsにWindows 10Xの新機能が取り込まれるかどうかは、Windows 10Xがどれだけ成功するかにかかっている――そう考える業界関係者が少なくない。
Window 10と異なる点の一つとして、Windows 10Xはアプリケーションをコンテナで実行する。コンテナでアプリケーションを実行することで、Windows 10のレガシーアプリケーションも利用できるようにする狙いがあると考えられる。ただし互換性には不安があるという見方がある。
調査会社Gartnerでアナリストを務めるスティーブ・クレインハンズ氏は「現実にはうまく機能しないアプリケーションが出てくるだろう」と指摘する。これはコンテナがうまく機能しないのではなく、OSと切り離すとうまく動作しないアプリケーションが少なくないと考えられるからだ。
この事情を加味すれば、コンテナ化の手法がすぐに通常のWindowsに取り入れられることはないと予測できる。「仮にコンテナ化が通常のWindowsに導入されたとしても、ユーザー企業はこの機能の有効/無効の切り替えができることを望む可能性がある」とクレインハンズ氏は指摘する。
今後提供されるWindowsの新バージョンに、Windows 10Xの更新プログラムの仕組みが導入される可能性もある。MicrosoftはWindows 10Xの更新プログラムの適用は90秒ほどで完了すると説明しているが、クレインハンズ氏は「通常のWindowsに適用した場合は90秒のレベルまでは短縮できないだろう」と指摘する。
調査会社Constellation Researchのアナリストであるホルガー・マラー氏は「Windows 10Xの機能をWindowsも採用するかどうかは、Windows 10Xが企業向けの用途としてうまく機能するかどうかに左右される」と話す。仮にWindows 10Xが企業向けのOSとして成功したことが実証されたとすれば、Windows 10Xの特徴は通常のWindowsのユーザーエクスペリエンス刷新のためにも取り入れられる可能性がある。その場合「従来のWindowsと新たなユーザーエクスペリエンスを取り入れたWindowsのユーザー企業は、2つの異なるユーザーエクスペリエンスが存在する複雑さに悩まされることになるだろう」とマラー氏は語る。
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