「Windows 7」を使い続けるメリットはあるか
「Windows 10」移行が“最善の答え”とならない人々
OSをアップグレードする機会が来れば、アップグレードしたくなるものだ。だが、「Windows 10」への移行は誰にとってもベストであるとは限らない。
Windows 10に移行すべきか、使用中のOSを使い続けるべきか。残念ながら、万人に当てはまる正解はない。
Microsoftに言わせればWindows 10を導入する方が良いと答えるかもしれないが、アップグレードすることが必ずしも得策であるとは限らない。
Windows 10に移行するメリットとデメリットは、それぞれの組織の状況に基づいて判断する必要がある。
コスト
Windows 10にアップグレードするか否かを考えるとき、まず浮かぶのはコストの問題だ。Microsoftは初め、Windows 10のライセンスを「Windows 7」ユーザーに無料で提供した。無料期間は既に終了しており、これからWindows 10に移行するにはライセンスを購入しなければならない。現在、「Windows 10 Pro」のライセンス購入価格は199ドル(日本では2万7864円)、「Windows 10 Enterprise E3」のサブスクリプション価格は1ユーザー当たり月額7ドル、年額84ドルだ。
サポート
「Windows 7 Service Pack 1」のメインストリームサポートは2015年1月13日に終了した。延長サポートの提供は2020年1月14日までだ。Microsoftはこれ以上Windows 7を更新せず、修正プログラムとセキュリティアップデートのみ提供する。無償サポートの提供は終わり、案件ごとの有料サポートのみとなっている。
MicrosoftはWindows 10が最後のWindowsになると明言している。数年ごとに新しいOSをリリースするのはやめ、定期的にWindows 10を新機能で更新していくという。「Windowsライフサイクルのファクトシート」によると、Windows 10のメインストリームサポートは2020年10月13日に終了するという。Windows 7を使い続けることは可能だが、その場合はアップグレードで手に入るはずの先進技術を利用できないことになる。
信頼性
Windows 7を使い続ける主な理由としてよく挙がるのが信頼性と安定性だ。
Windows 10は新しいといっても、2015年7月のリリースから既に1年以上運用されている。初めは確かにバグもあったが、重大な問題は修正プログラムで解決済みだ。現在のWindows 10の信頼性はWindows 7に劣らないだろう。
また、Windows 7のコアにはほとんど変化がない。Microsoftは定期的にセキュリティアップデートをリリースしているが、新機能や大きな変更が加わることはない。これに対し、Windows 10はどんどん新しくなっている。2016年8月2日にリリースした「Windows 10 Anniversary Update」はまるで新しいOSのように新機能を多数備えており、2017年には次の大型アップデート「Windows 10 Creator Update」を予定している。こうした頻繁な変更が安定性に影響する可能性はある。
互換性
Windows 7用のソフトウェアの多くは、Windows 10でも問題なく動作する。ただ、中にはWindows 10で動作させるには微調整が必要となるアプリケーションもあり、少数ながらWindows 10では一切動作しないアプリケーションもある。念のため、Windows 10への移行を決める際には、あらかじめアプリケーションの互換性をテストしておく必要がある。
ハードウェア互換性の面では、Windows 7とWindows 10のハードウェア要件はほとんど同じだ。Windows 7が動作するコンピュータではWindows 10も動作する可能性が高いが、デバイスドライバーやストレージ容量に関しては問題が発生する可能性がある。
逆に、Windows 7では新しいハードウェアのメリットを十分に活用できない可能性が高い。新しいデバイスについては既にWindows 7用ドライバーを提供しなくなったハードウェアメーカーもある。
ほとんどの場合はWindows 10にアップグレードする方が得策であり、Windows 7を使い続けるケースはコストや互換性などやむを得ない理由がある場合に限られそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「改正物流効率化法対策」徹底解説 総物流費を抑制するサプライチェーン戦略 -
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「サプライチェーン最適化」実践ガイド:効果的な意思決定を実現する秘訣とは? -
製品資料
[株式会社リンプレス] 非デジタル/IT人材を「自走するDX推進者」に変えるための育成ロードマップ -
市場調査・トレンド
[ワンアイルコンサルティング株式会社] AI時代の組織設計:「判断と責任」を人に残すための2つの原則とは? -
技術文書・技術解説
[ワンアイルコンサルティング株式会社] システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
1200万円のSaaS導入を回避 スギ薬局「運用費10万円」のAIエージェント構築術
-
2
「完璧な設計」なのに3000万円溶けた AWSの失敗事例から学ぶ3つの教訓
-
3
クラウド資格コレクターは評価されない? 年収1000万を分ける“OSの理解度”
-
4
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
5
「AIバブル」は崩壊するのか? 熱狂の後に来る“尻拭い”と4つの防衛策
-
6
高額な「AI PC」を一般従業員も使えたら? 費用のハードルを一気に下げる方法
-
7
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
8
「コピペ運用の限界」に直面するAI活用 7割超が“別画面”のまま使う理由は?
-
9
IT調達担当者が知るべき「IT機器 大インフレ時代の前向きな選択肢」
-
10
「RAGの利用」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
2
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
3
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
4
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
5
「Google Workspace」活用事例34選、先進の生成AIによる組織変革の全貌
-
6
生成AIで文書活用を進めるには? 効率化と安全性をどう両立する
-
7
「人員を増やす」という選択肢はない 情シスが負の連鎖から抜け出すには?
-
8
「問題が深刻化しやすいプロジェクト管理」から脱却する方法とは?
-
9
Linuxのスキルを証明する“激推し”の認定資格はこれだ
-
10
NTTドコモが実践したクラウド統合監視 業務量2倍でも残業削減を実現できた理由
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー