「クラウドに仕事を奪われる」というIT管理者の危機感は杞憂なのか確かに管理労力の軽減が目的だが

企業が自社のデータセーターからパブリッククラウドにワークロードを30%移行するだけで、IT運用に関連した作業が減少する。この先、運用エンジニアの仕事はまだあるのだろうか。

2017年03月28日 15時00分 公開
[Meredith CourtemancheTechTarget]
パブリッククラウドの企業導入が進む現在において、IT管理者の存在意義が低下しているという

 Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureなどのクラウドプロバイダーに企業がワークロードを移行するにつれて、かつてオンプレミスでワークロードをサポートしていた運用スタッフに何が起きているだろうか。

 「ITの分野ではクラウドの容量管理に関する役割が進化し、IT担当者が概要レベルにおいてビジネスのクラウド戦略を立案するようになっている」と語るのは、MarkoInsightsでテクノロジーアナリストとして働くカート・マルコ氏だ。また、特定のパブリッククラウドプラットフォームのスキルを習得してクラウド運用エンジニアとして生きていく道もある。

 クラウドの容量管理には、クラウドの利用計画を考え、リソースの割り当てを設定し、実際の使用量を計算して、実際の利用状況を調整する能力が必要だ。一方、クラウド運用エンジニアの任務は、クラウドの移行を遂行し、リソースを拡大縮小し、パッチとアップデートを導入して、関連するタスクを実施することだ。企業では、これらの作業をクラウドの利用、調整または容量を管理する担当者の職務と見なしている。

 IT全体の目標にクラウドの容量計画を追加することには意味がある。企業が知らないうちにリソースを誤用している場合は特にそうだろう。「クラウドによって、私たちは気が付かないうちに多くの金額をいとも簡単に使うようになっている」とマルコ氏は警告する。

 クラウドベンダーの選択はプロジェクトの成否に大きく影響する。そう語るのは、Milwaukee Area Technical CollegeでITアーキテクトとインストラクターを兼務するブライアン・カーシュ氏だ。AWSは、広範囲な産業パートナーシップ、パブリッククラウドにおける長年の経験、多数のユーザーと彼らからのフィードバックによる膨大な集合知を持っている。これらの特徴は、AWSが提供する分散型の安価で大規模なクラウドリソースにIT部門がワークロードを移行することを後押ししている。

 一方、Azureは巨大なドメインシステムのように機能するため、インスタンスを起動するのに時間がかかる。特定の状況で明確なメリットがある他の選択肢には、IBMの「IBM Bluemix」と他のクラウドサービスおよびGoogleの「Google Compute Engine」がある。クラウド調達の担当者は、業務で必要なアプリケーションのニーズに合わせて用意しているサービスを調査し、その結果に基づいて効率よく利用するために、Infrastructure as a Service(IaaS)に加えてPlatform as a Service(PaaS)の経験も必要になる。

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