自社開発したデータ視覚化ツールのオープンソース化に踏み切ったUber Technologies。その狙いは、イノベーションを自社に環流させることにある。
配車サービスUber Technologiesの幹部がカンファレンスに登壇すると、いつも会場は満員の聴衆で埋め尽くされる。人々が詰めかけるのには、2つの理由がある。
1つは、Uberが高度なアナリティクスを駆使し、多くの興味深い取り組みを進めているからだ。そうした取り組みの詳細を知ることは、他社にとって新規プロジェクトの着想につながる場合もある。
もう1つは、Uberのプレゼンテーションが常に視覚的に魅力的であることだ。Uberはデータ視覚化ツール「deck.gl」の開発に大々的に投資しており、それが見応えのあるプレゼンテーションにもつながっている。
素晴らしいのは見た目だけではない。Uberはdeck.glを使って、ユーザー企業がデータから新たな洞察を引き出せるよう支援しており、実際その成果は印象的なものになり得る。
Uberは2016年11月、deck.glをオープンソースソフトウェア(OSS)化し、2017年4月にアップデート版をリリースした。新版を使えば、データの可視化によってより多くの洞察が得られるという。
「私はオープンソースを熱心に支持している。オープンソース化はさまざまな形でビジネスに役立つはずだ」と、Uberのデータ視覚化担当主任を務めるガルシア・ベルモンテ氏は語る。
ベルモンテ氏によれば、deck.glのオープンソース化は、双方向の効果を期待しての判断だという。Uberが期待しているのは、社外の開発者がdeck.glを使って、何らかの価値を引き出すための興味深い方法を見つけてくれることだ。
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