Uberの知られざるデータ見える化ツール「deck.gl」、OSS化の本当の狙いとは?社外の力が新たな価値を生む

自社開発したデータ視覚化ツールのオープンソース化に踏み切ったUber Technologies。その狙いは、イノベーションを自社に環流させることにある。

2017年05月11日 08時00分 公開
[Ed BurnsTechTarget]

関連キーワード

ビッグデータ | データ分析 | OSS


画像 なぜUberはデータ可視化ツールのOSS化に踏み切ったのか

 配車サービスUber Technologiesの幹部がカンファレンスに登壇すると、いつも会場は満員の聴衆で埋め尽くされる。人々が詰めかけるのには、2つの理由がある。

 1つは、Uberが高度なアナリティクスを駆使し、多くの興味深い取り組みを進めているからだ。そうした取り組みの詳細を知ることは、他社にとって新規プロジェクトの着想につながる場合もある。

 もう1つは、Uberのプレゼンテーションが常に視覚的に魅力的であることだ。Uberはデータ視覚化ツール「deck.gl」の開発に大々的に投資しており、それが見応えのあるプレゼンテーションにもつながっている。

 素晴らしいのは見た目だけではない。Uberはdeck.glを使って、ユーザー企業がデータから新たな洞察を引き出せるよう支援しており、実際その成果は印象的なものになり得る。

データ可視化ツールをOSS化したUberの狙い

 Uberは2016年11月、deck.glをオープンソースソフトウェア(OSS)化し、2017年4月にアップデート版をリリースした。新版を使えば、データの可視化によってより多くの洞察が得られるという。

 「私はオープンソースを熱心に支持している。オープンソース化はさまざまな形でビジネスに役立つはずだ」と、Uberのデータ視覚化担当主任を務めるガルシア・ベルモンテ氏は語る。

 ベルモンテ氏によれば、deck.glのオープンソース化は、双方向の効果を期待しての判断だという。Uberが期待しているのは、社外の開発者がdeck.glを使って、何らかの価値を引き出すための興味深い方法を見つけてくれることだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia マーケティング新着記事

news108.jpg

TikTok売却義務化に合憲判決 これからのシナリオを左右しそうなトランプ氏と「あの人」の意向
米連邦控訴裁判所は、TikTokが米政府による強制売却法案の無効を求めるTikTokの申し立て...

news006.jpg

「TikTok禁止」は結局、誰得? どうするトランプ氏――2025年のSNS大予測(TikTok編)
米国での存続を巡る議論が続く一方で、アプリ内ショッピングやAI機能の拡大など、TikTok...

news202.jpg

ネットの口コミを参考に8割超が商品を購入 最も参考にした口コミの掲載先は?
ホットリンクは、口コミ投稿の経験や購買への影響を調査した結果を発表した。