「Windows Server 2016」へのアップグレード、決断を後押しする新機能とは新機能のメリットと導入リスクのトレードオフ

企業は旧バージョンの「Windows Server」から「Windows Server 2016」へのアップグレードを検討し始めている。その場合の重要なポイントは新しいコンテナ機能とアプリケーションの互換性だ。

2017年05月11日 15時00分 公開
[Brien PoseyTechTarget]
Microsoftが「切り開く未来」と訴求するWindows Server 2016の導入を検討する企業が増えている

 Windows Server 2016のリリースに合わせて、多くの企業が現行バージョンからのアップグレードを検討している。その判断は簡単ではなく、さまざまな考慮要素がある。

 管理者は、Windows Server 2016の新機能(「Nano Server」、ソフトウェア定義ストレージ機能など)が自社にもたらす利点を確認するとともに、アプリケーションの互換性やアップグレードコストの調査も必要だ。

新機能:コンテナ、Nano Server、ストレージ

 Windows Server 2016にはどのような利点があるのだろうか。他のOSリリースと同様、Windows Server 2016も多彩な新機能を提供している。

 Windows Server 2016の目玉機能の1つはコンテナだ。Windows ServerコンテナはDockerの技術をベースにしており(「Hyper-V」コンテナも同様)、これまでオープンソースで利用されてきた機能と同様の機能を提供する。これによって、VM全体を起動しなくてもアプリケーションを展開して実行できる。

 新しいサーバ展開タイプのNano ServerもWindows Server 2016の新機能だ。 Microsoftは何年か前のWindows Serverから「Server Core」というインストールオプションを導入した。GUI機能の大半を省いてOSフットプリントを小さくするものだ。この展開方法には、攻撃対象領域が小さくなること、VMの高密度化を実現できることなどの利点がある。Nano ServerもServer Coreと同じくWindows OSの機能を縮小した軽量版だが、Nano Serverの方がServer Coreよりはるかに小さい。デスクトップエクスペリエンス機能も含めたWindows Server 2016展開と比べると、約20分の1のサイズだ。

 Microsoftはまた、ソフトウェア定義ストレージ機能として「記憶域レプリカ」と「記憶域スペースダイレクト」という機能も追加した。記憶域スペースダイレクトを利用すると、クラスタ化したWindows Serverは中央にあるクラスタ共有ボリュームではなくローカルの記憶域を使用でき、ハイパーコンバージド展開と同じトポロジーを構成できる。

 Windows Server 2016の新機能はこれ以外にもあり、セキュリティと仮想化に関連するものが多い。こうした新機能には多くの利点があるが、利用するためには通常新しいサーバを展開することが必要になり、注意が必要だ。例えば、Dockerを既存のアプリケーションサーバにインストールすることは推奨できない。コンテナは専用サーバにすることが最も適している。

アプリケーションの互換性とアップグレードコスト

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