Windows 10に“謎の新エディション”登場か、ハイエンドのワークステーション向け?Microsoftの“うっかり配信”で発覚

Windows 10が、データ量の多いワークロードを処理するため、PC最適化機能を備えたエディションの提供を計画している。機械学習などで大量のデータを扱う企業に有用なアップデートとなりそうだ。

2017年06月16日 08時00分 公開
[Ramin EdmondTechTarget]
意図しない情報流出について釈明するMicrosoftのブログ(出典:Microsoft)《クリックで拡大》

 企業は目下、各種の最新技術から生じる大量データの処理方法を模索している。近く登場するWindows 10の新エディションが、その答えを提供してくれることになるかもしれない。

 Microsoftは2017年6月1日、「Windows Insider Program」の参加者に配信したビルドにおいて、「Windows 10 Pro for Workstation」という新エディションの開発計画を誤って公開してしまった。ハイエンドPCの処理能力をうまく利用することで、データ量の多いワークロードを効率的に処理することを目指したエディションだ。近年は人工知能(AI)や機械学習、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)といった最新技術の導入拡大に伴い、企業が利用するデータ量は日に日に増加しており、今後もこの傾向が続くと予想されている。

 「データは増加の一途をたどるだろう」とUnited Bankでメッセージングとコラボレーションを担当するウィレム・バッカス氏は語る。モノのインターネット(IoT)やARやVRなどで、かつてないほど大量のデータが収集、追跡、保存されるようになりつつある昨今、Windows 10 Pro for Workstationは極めて有用なエディションとなりそうだ。

 United Bankは2019年までにWindows 10への移行を予定しており、バッカス氏はこの新エディションが大量の財務データの処理に役立つと期待している。

新エディションの機能

 誤って公開されたMicrosoftのスライドによると、Windows 10 Pro for Workstationは「Workstation Mode」という機能を搭載する。高度なグラフィック処理や大量データの転送など、負荷の高いワークロードを実行する際にPCの処理能力を最適化するための機能だ。このモードを実行中にPCのその他の処理に影響が及ぶかどうかは、スライドの内容からだけでは定かでない。

 調査会社J. Gold Associatesの創業者で主任アナリストのジャック・ゴールド氏によれば、Workstation Modeの実行中は一部の機能が通常通りに実行できなくなる可能性があるという。自動更新やMicrosoftへのユーザー情報の送信など、バックグラウンド処理が一時的に停止する可能性もある。

 またWindows 10 Pro for Workstationは「SMBDirect」プロトコルをサポートし、CPUにあまり負荷をかけずに大量データをPC間において高速かつ低レイテンシで転送できる。

 さらに同エディションはMicrosoftの最新ファイルシステム「Resilient File System」(ReFS)を搭載し、ファイル転送時にラグやエラーが発生した場合にフォールトトレランスや自動修復機能を提供する。大容量データ転送時の問題を回避することで、ReFSはファイル転送の高速化を図ることが可能だ。

データ増加への対策

会員登録(無料)が必要です

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

事例 アルテリックス・ジャパン合同会社

データ処理の効率化に成功、ゼンリンマーケティングソリューションズの取り組み

ゼンリンマーケティングソリューションズでは、地図情報によるデータ分析作業を効率化するため、プログラミング不要のデータ分析ツールを導入した。同社はどのような製品を採用し、課題解決につなげていったのだろう。

事例 アステリア株式会社

ノーコードでアプリ開発とデータ連携を実現、9社の事例に学ぶ現場DXの推進術

工場や倉庫などの現場では、人手不足などにより業務負担の増大が懸念されており、業務のデジタル化と業務プロセスの改善が急務となっている。そこでモバイルアプリの作成からデータ連携までをノーコードで実現できる製品が注目されている。

製品資料 ジオテクノロジーズ株式会社

6つのユースケースから学ぶ、「人流データ」の効果的な活用方法

広告や小売、観光振興、まちづくりなど、さまざまな領域で導入が進む「人流データ」。その活用でどのような施策が可能になり、どのような効果が期待できるのか。人流データ活用の6つのユースケースを紹介する。

製品資料 ジオテクノロジーズ株式会社

基礎から解説:「人流データ」の特徴から活用におけるポイントまで

人の動きを可視化した「人流データ」。屋外広告の効果測定や出店計画、まちづくりや観光振興など幅広い領域で活用されている。その特徴を確認しながら、価値のある分析・活用につなげるためのポイントを解説する。

事例 プリサイスリー・ソフトウェア株式会社

SAPデータの処理時間を4分の1に短縮、ロクシタンはどうやって実現した?

SAP ERPを活用して、事業部門のデータ作成/変更を行っているロクシタンでは、マスターデータ管理の煩雑さに伴う、処理時間の長さが課題となっていた。これを解消し、SAPデータの処理時間を4分の1に短縮した方法とは?

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。