企業でチームチャットアプリケーションの利用が広がっている。社内と社外で異なるアプリケーションを利用する従業員にとって、両者の間に相互運用性のないことが課題になりつつある。
複数の拠点に散った従業員同士で構成されるチームにとって、仕事にメールや電話しか使えないのは不便だ。ここ数年間で登場した各種のチームチャットアプリケーションは、業務用のコミュニケーションを改善する可能性がある。こうしたアプリケーションを使えば、従業員同士がメッセージの送信やファイルの共有、リアルタイムの動画チャットなどを1つのチャネルで実行することが可能になる。
一方、チームチャットアプリケーションの普及は、一度に複数のアプリケーションを使う環境を生み、場合によってはエンドユーザーを困惑させる懸念もはらむ。ある企業の従業員が同僚とのコラボレーションに使うアプリケーションと、社外の相手とのチャットに使うアプリケーションが異なる場合も、珍しくはない。
スマートフォンで使うチームチャットアプリケーションと社用PCで使うチームチャットアプリケーションに相互運用性が欠けている場合も、エンドユーザーにとっては厄介だ。調査会社The Nemertes Research Groupのアナリスト、アーウィン・レイザー氏によれば、これは多くの企業の従業員が共通して抱いている不満だという。
Slack Technologiesの「Slack」、Cisco Systemsの「Cisco Spark」、RingCentralの「Glip」、Facebookの「WhatsApp」など、自身も複数のチームチャットアプリケーションを使っているというレイザー氏は、「最大の難題は、企業側が非常に多くのアプリケーションを監視しなければならないことだ」と語る。相互運用性の欠如は大きな問題となりつつあるが、今のところ、ベンダーはこの問題の解消に取り組んでいない。
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