IoTシステムやデバイスの普及には、標準化やセキュリティなど数々の課題がある。IT業界の大手5社が設立したIoT推進団体の理事が、こうした課題への取り組みについて語った。
あらゆる機器同士がインターネットを介してつながる「モノのインターネット」(IoT)の仕組みに関する知識は、ある程度普及した。ただし企業がIoT関連の取り組みを進める際のセキュリティの確保、標準化、管理体制の強化に関しては、依然として課題が残る。業界の大手であるAT&T、Cisco Systems、General Electric、Intel、IBMは、産業用IoT向けに非営利団体(NPO)Industrial Internet Consortium(IIC)を設立。状況の打開に向けて動き出した。
IICは、数年かけてテストベッド(試験用環境)を構築するプロジェクトを進めてきた。同プロジェクトは、新たなIoTシステムやサービス、プロセスをテストすることで、IoT製品が特定の環境で既存のテクノロジーと連携する仕組みを監視し、評価することを目的とする。
IICの常任理事であるリチャード・ソリー氏は、最近開催されたイベント「MIT Sloan CIO Symposium」で講演し、「IoTシステムの特徴は、これまで考えもしなったようなモノ同士を連携させる点にあるが、実行は困難を極める。そもそも、モノの設計は他の機器との連携を想定していないためだ」と語った。IICは、テストベッドを構築することで「このような相互運用の要件を見極め、システムの確実な連携を支えている」と、同氏は説明する。
ソリー氏は、国際的な標準化コンソーシアムであるObject Management Groupの会長兼CEOも務める。TechTargetは、同イベントでソリー氏にインタビューし、IICの目標をはじめ、標準化がIoTの普及を妨げるかどうかなどについて話を聞いた。あらゆる企業で現在、最高情報責任者(CIO)を務める人々に向けて、同氏からのメッセージを紹介する。以下は、インタビューからの抜粋だ。
―― IICの目標について教えてください。
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