機械学習やワークフローを強化
IBM、MicrosoftのAIを搭載したBoxにIT担当者が夢中になる理由
Boxは人工知能(AI)と機械学習の技術を導入した新たな機能を提供する。ユーザーは、スマート検索オプションや、カスタマイズしたコンテンツを表示するフィードを利用できるようになる。
ファイル共有サービスを提供するBoxは、コンテンツ管理ツールに機械学習テクノロジーを新たに導入し、ユーザーのコンテンツからインテリジェントな洞察を得られるよう支援する。
Boxは毎年恒例の「BoxWorksカンファレンス」で、幾つかの新サービスを発表した。「Box Skills」は、表示コンテンツや音声コンテンツを検索できるだけでなく、それらのコンテンツに関する情報も簡単に表示できる。「Box Feed」は機械学習を使って特定ユーザー向けにコンテンツをキュレート(情報を集め、整理し、新しい視点を提供)する。そして「Box Relay」の新機能は従業員のワークフロー効率化を目指している。カンファレンスでは、これらの機能が参加者の興味を引き付けた。
「しかるべきときにしかるべき場所にいる特定の人々に物事を中継しようとしていたところだったので、人工知能(AI)を組み込んだBoxに出会えたのはよかった」と話すのは、Barnhardt Manufacturing Companyでビジネスシステムエンジニアを務めるライアン・フォルツ氏だ。
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Box Skillsの仕組み
「Box Skills」とは1つのフレームワークで、Boxにアップロードするコンテンツと機械学習の間に位置する抽象化層として機能する。このフレームワークは、画像認識、音声認識、映像認識という3つの分野に重点を置く。
画像認識コンポーネントは「Google Cloud Platform」テクノロジーを基盤とする。Boxはこのコンポーネントを使って、画像のテーマ、色、ロゴなどの様相に自動的にタグを付け、同時に画像のテキストをアップロードする。ユーザーがそのタグをクリックすると、類似コンテンツを含む他の画像にアクセスできる。
映像認識はMicrosoftの「Cognitive Services」を利用して顔認識技術を実現し、映像内の人物を特定する。繰り返されるフレーズが出現する箇所をユーザーに示し、ユーザーが映像のトランスクリプトを抽出して字幕に適用することもできる。音声認識はIBMの「IBM Watson」テクノロジーを基盤とする。こちらには視覚的側面はないが、同様の機能を提供する。
開発者向けの新しい機能「Box Skills Kit」を使うと、ファイル内のどの情報を機械学習が追跡するかをカスタマイズできる。例えば、通話時の声のトーンを追跡したり、企業が関心を持つ特定の単語を抜き出して、会話内にその単語が出てきたときにBoxコンテンツ内に表示したりすることができる。開発者は請求書や契約書などの文書内の情報をカスタマイズしたり、日付、署名、支払金額、ベンダー名などの情報をBoxの機能で抽出させたりできる。このとき、データを抽出するだけでなく、その情報をユーザーが入力できるため、文書のカスタマイズを自動化することができる。
画像認識は本稿執筆時点ではβ版がリリースされているが、Boxによれば、映像認識と音声認識は2018年にβ版をリリース予定だという。
ユーザーに関連情報を提示するBox Feed
カンファレンスでは、機械学習テクノロジーの「Box Graph」を取り入れた「Box Feed」のプレビューも実施していた。Box Feedは2018年に利用可能になる見込みだ。この機能は、ユーザーが自身に最も関連するコンテンツを見つけるのに役立つ。Box Feedでは、ユーザーのアクティブコンテンツ(作業中のファイルや言及しているファイル)と、他の関連コンテンツが示される。フィードに表示されるコンテンツは、ファイルの作業者やコンテンツの内容が基になる。例えば、別のユーザーと共同作業している場合、一般に、そのユーザーが作業している文書が関連セクションに表示される可能性が高い。また、頻繁に利用されるファイルや、組織内の多くのユーザーがアクセスするファイルも表示される。
こうした新しい機能自体も興味深いが、こうした機能の採用が必要になる企業があるだろうということも興味深い。例えば「Barnhardt Manufacturing Companyは歴史のある企業だが、同社のリーダーはビジネスデータインテリジェンスに非常に関心がある」と、同社のアプリケーションシステムマネジャー、ピート・チャントリー氏は話す。
「Boxの『エンタープライズコンテンツ管理』の基本機能に慣れるのに時間はほとんどかからない」(チャントリー氏)
Box Relayのアップデート
ワークフローの自動化を目的とするBox Relayが発表されたのは2016年だったが、ようやく2017年11月にリリースされる。このリリースでは幾つか機能強化もある予定だ。
まず、アドオンによってワークフローを自動的に開始できるようになる。例えば、ユーザーが採用候補者の履歴書をアップロードすると、その種の文書に関連付けられたワークフローが自動的に開始される。BoxはAPIのリリースを予定しているため、IT部門はBox Relayを既存のサードパーティー製アプリケーションや自動プロセスに統合できる。さらに、ユーザーはBox内で文書に直接電子署名できるようになる。最後に、新しいダッシュボードでは複数のワークフローを同時に管理できる。このダッシュボードには、全てのアクティブなワークフローと、そのワークフローがどのステップまで来ているかが表示される。
The Enthusiast Networkの技術サポートを担当するウィル・シェパード氏は次のように話す。「全てをひとまとめにするところが好きだ。ワークフロー全体を見渡せるのがすばらしい」
Box Relayのその他の新機能には、ドキュメントを編集するために他のユーザーを招待し、そのユーザーにドキュメント内で期限付きのタスクを割り当てる機能がある。新しい注釈ツールもあり、ユーザーがドキュメントの具体的な側面についてコメントを書き込み、そこに他のユーザーの目が行くようにタグ付けできる。
他にも、前のバージョンのドキュメントをダウンロードする必要をなくし、1回クリックするだけでそのドキュメントをプレビューできる機能がある。ユーザーがドキュメントにアクセスすると、前回の作業以降に他のユーザーが変更した箇所と編集したユーザーを強調表示する機能もある。ユーザーがコメントをスレッド表示して、「解決済み」とマークすることもできる。
Box Skillsと同様、Box RelayにはIT部門向けの魅力的な機能が含まれているが、Barnhardt Manufacturing Companyのメンバーはこのツールをすぐに適用する方法がよく分からないという。
「どの程度使用することになるか分からないが、すばらしい機能であることは分かる」とフォルツ氏は話す。
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