テクノロジーや戦略を見直すならば、エンドユーザーコンピューティング(EUC)に関するトレンドの変化に注意する必要がある。EUCの次のトレンドは何が来るのか、専門家が予測する。
古くなったり、停滞したりしたテクノロジーや戦略を見直し、新しいオプションを検討するIT部門にとっては、新年が絶好のチャンスだ。
エンドユーザーコンピューティング(EUC)のトレンドについて論じるならば、主にデバイス管理、仮想デスクトップの導入、そしてその両方を支えるテクノロジーの3つを中心に議論を展開することになる。
2017年にはIT部門が管理できるデバイスが増え、仮想デスクトップを実行する方法がより簡単になった。デスクトップセキュリティの新しいツールも選べるようになった。セキュリティと管理を改善するには、ハードウェアとソフトウェアの進歩が不可欠になっている。
TechTargetは、Lopez Researchの社長兼創設者マリベル・ロペス氏にインタビューした。このインタビューでは、2017年におけるEUCのトレンドに関する重要度と、2018年における企業への影響に注目して解説する。
EUCのトレンドとしてはセキュリティが真っ先に変わるとロペス氏は見ている。IT部門が運用する現状の環境には、複数のデバイスを所有するモバイルユーザーが大勢いる。このことが、状況に応じたセキュリティ(以下「コンテキストセキュリティ」)を実現する下地になる。
ロペス氏は次のように語る。「1人のユーザーが多くデバイスを所有するようになった。あちこちに移動するユーザーも多い。そのため、IT部門はさまざまなことを把握する必要に迫られている。そのユーザーは本当に従業員なのか。本当にその場所から接続しているのか。そのユーザーにこれらのドキュメントへのアクセス権を与えてもいいのか、といったことだ」
コンテキストセキュリティでは行動分析ツールを使用してエンドユーザーの通常の活動を判断する。そして、何らかの要素が基準から逸脱している場合はIT部門に警告を送る。このセキュリティでは、ユーザーが置かれている状況を表すコンテキスト情報を利用する。ユーザーのIDや位置情報などがその例だ。
「コンテキストセキュリティには自動化され、システムからユーザーをロックアウトするものがある。一方、注意を促すためにIT部門に直接警告するものもある」とロペス氏はいう。
EUCの大手ベンダーは、自社のサービスを改善するために優れたセキュリティオプションに目を向けるようになっている。コンテキストセキュリティはその一例だ。
「Microsoft、Citrix Systems、VMwareなど、EUCのベンダーが主導するコンテキストセキュリティのアプローチが増えているようだ」と同氏は述べる。
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