iPhone導入の投資対効果は? 従来手法では測れないEUCの導入メリット「競争力を高める」をどう評価するか(1/2 ページ)

サーバやストレージのようなインフラとは異なり、EMMやVDIのようなEUC(エンドユーザーコンピューティング)の投資は、ROIの評価が単純ではない。コスト削減以外の効果にも目を向ける必要がある。

2017年05月22日 08時00分 公開
[Alyssa ProvazzaTechTarget]
2016年から2017年にかけてのIT予算の変化《クリックで拡大》

 金は天から降ってくるものではない。それは企業のIT部門でも同じだが、限られた予算で最大限の投資対効果(ROI)が求められる。エンドユーザーコンピューティング(EUC)では高いROIを期待できるが、それも勝手に天から降ってくるわけではない。

 サーバやストレージなどのハードウェアやインフラのROIは分かりやすく、リソースが生み出す効果とコストを比較すればいい。これらのリソースは刷新することで運用費、電気代、冷却費、設置スペースコストなどの支出を削減でき、企業に利益をもたらす。これに対し、EUCはそうした直接的な金額につながらない。IT業務の費用対効果より、従業員の業務を向上させるのが目的だからだ。

 Oral Roberts UniversityのCIO、マイケル・マシューズ氏は次のように話す。「ROIという用語はもはや金銭的効果に限定されない。どんなものもROIとなり得るから、競争力につなげる必要がある」

 EUCは従業員の業務を向上させることによって企業の競争力を高める。その効果は数値化しにくく、ROIの測定は難しい。EUCの投資対効果は、生産性や従業員の満足度、IT要員の負担軽減、データセキュリティなどに現れる。EUCツール導入前と比べてIT関連支出が縮小すれば、たとえ直接の利益が発生しなくても金銭的ROIと見なすことができる、とマシューズ氏は話す。

 また、導入する機能ごとにROIは異なり、エンタープライズモビリティ管理(EMM)のROIと仮想デスクトップインフラ(VDI)のROIはそれぞれ違う。

EMMのROI

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       1|2 次のページへ

ITmedia マーケティング新着記事

news006.jpg

「TikTok禁止」は結局、誰得? どうするトランプ氏――2025年のSNS大予測(TikTok編)
米国での存続を巡る議論が続く一方で、アプリ内ショッピングやAI機能の拡大など、TikTok...

news202.jpg

ネットの口コミを参考に8割超が商品を購入 最も参考にした口コミの掲載先は?
ホットリンクは、口コミ投稿の経験や購買への影響を調査した結果を発表した。

news071.jpg

「生成AIの普及でSEOはオワコン」説は本当か?
生成AIの普及によりSEOが「オワコン」化するという言説を頻繁に耳にするようになりました...