最適な人材管理システムを見極めるには、人事ソフトウェアの機能とメリットを調べる前に、自社の現状と今後のニーズを特定することから着手する必要がある。
人材管理(HRM:Human Resource Management)システムに求めるものが全く同じという企業は1つとして存在しない。企業の規模、所在地、業界が違えば、人事(HR)システムに求めるものも異なる。
例えば大企業の中には規制の非常に厳しい業界に属し、コンプライアンスがHRの主な課題になる企業もある。また、し烈な人材獲得競争に巻き込まれ、人員を配置できていないポジションを抱える企業もあれば、従業員の給与管理を行わなければならないのに、社内で対応する知識も時間も持ち合わせていないベンチャー企業もある。
このように、置かれている状況はさまざまだが、HRMシステムを選ぶ前に自社のニーズを理解することが重要になるのは、どの企業にも共通する。
人事と人的資本管理(HCM:Human Capital Management)ソフトウェアの大半はスイートとして販売されている。だが、昨今は多数のベンダーが機能を選択できるアプローチを用意している。その結果、選択肢が大きく広がるだけでなく、不要な機能への出費を避けることも可能になる。
給与計算、福利厚生、従業員の記録といったHRの中核機能は必須の基盤だ。これを土台に、人材管理やソーシャルエンゲージメントなどの分野に対処する別のモジュールへとHCMソフトウェアを拡張することができる。
ここからは、HRソフトウェアの各機能のさまざまなユースケースについて見ていこう。
米国以外の国、つまり世界各国に勤務する駐在員を抱える米国企業の給与計算は複雑になる可能性がある。こうした企業は、米国の給与計算と課税要件に従いながらも、異なる国の賃金と労働に関する法を順守し、為替レートを計算しなくてはならない。そのため、米国内の給与計算をサポートし、給与を現地の通貨に換算し、米語を外国語に翻訳できるHRMツールが必要になる。
保険、金融サービス、医療、公共機関などの特定の業界は、広範囲にわたる法令への順守が必要になる。HRシステムとレポートも、こうしたコンプライアンス要件を満たさなくてはならない。問題は、コンプライアンス要件が刻々と変化することだ。コンプライアンス要件としては例えばHIPAA(米国における医療保険の相互運用性と説明責任に関する法令)やACA(医療保険制度改革)、そして従業員の財政状態に関する身元調査などがある。
幸い、規制内容の変化に応じて自動更新されるコンプライアンス対応のHRソフトウェア機能が用意されているため、企業は監査レポートやコンプライアンスを適切に取り扱うことが可能になる。
企業はその規模にかかわらず、主要ポジションの世界的な人材不足の影響を受けている。人材確保を担うHR部門の希望は、採用活動のみならず優秀な社員のつなぎ止めにも役立つソフトウェアだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
企業にとっては、いかに優秀な人材を確保するかが大きな課題となっている。そこで、AIとスキルインテリジェンスを活用することで従業員満足度を高め、定着率の向上、ビジネスの成長へとつなげていくための3つのステップを紹介する。
従業員にさまざまなサービスを提供するHR業務に、生成AIを導入する動きが加速している。生成AIは、HR業務が抱えている課題をどのように解決し、従業員エクスペリエンス(EX)の品質向上と組織全体の生産性向上に貢献するのだろうか。
紙やExcelを用いた人事評価業務では、進捗管理やデータ集計に多大な労力がかかってしまう。そこで本資料では、評価ツールを導入することで、評価に関わるさまざまな作業を効率化することに成功した事例を紹介する。
2019年4月から時間外労働の上限規制が労働基準法に規定され、特別条項付きの36協定を締結した場合でも厳守しなければならない、時間外労働の限度が定められた。本資料では、36協定における基礎知識から締結時の注意点まで詳しく解説する。
人手不足が深刻化する近年、新規採用や従業員教育にコストをかける企業が増えているが、その分離職時のダメージも大きく、事業継続に影響が出るリスクもある。そこで、主な離職要因となる6つの問題について、その原因や解決策を解説する。
ERPからあぶれたスキマ作業をどうする? RPAやBIでは解決できない理由 (2025/4/4)
マンガで解説:紙と「Excel」の販売管理から卒業したい 実現しやすい方法は? (2025/4/2)
制度変更で取引先が数千件増える? 3カ月でシステム構築できた事例 (2025/3/25)
人事管理システムの選び方 失敗しないポイントは? (2024/9/18)
人材開発って何? 人材育成との違いは? 効果的な方法を知る (2024/9/18)
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。