実行プラットフォームの違いを解説
SAP S/4HANAはどこで動かすべき? クラウド、オンプレミス、ハイブリッドを比較(1/2 ページ)
「SAP S/4HANA」の実行プラットフォームに混乱していないだろうか。本稿では、この導入のさまざまな選択肢と、そのメリットとデメリットを考える。
SAPの顧客になることを検討している最高情報責任者(CIO)、またはSAPの次世代ERPへの移行を考えているCIOは、まず自社に適した実行プラットフォームを判断することになる。実行プラットフォームには、「SAP S/4HANA Cloud」、オンプレミス、ハイブリッドの3つがある。そして、判断の際には、デューデリジェンス(適正評価)を実施しなければならない。それぞれの選択肢にはメリットとデメリットがある。そのため、それらを全て検討してから選択することが重要だ。
とはいえ、S/4HANAのさまざまな実行プラットフォームのメリットとデメリットを見ていく前に、中核となる考え方を幾つか確認しておこう。
S/4HANA導入の選択肢
S/4HANAは、SAPのインメモリデータベース「SAP HANA」を基盤とするオンプレミスのERPビジネススイートだ。SAP HANAデータベース、アプリケーション、データセンター、OS、ミドルウェア、サーバ、仮想化、ネットワーキングなど、全てをオンプレミスで顧客が管理する。
SAP S/4HANA Cloudは、S/4HANAのSaaSバージョンだ。SaaSバージョンを導入すると、S/4HANAのオンプレミスバージョンで必要なハードウェア、データベース、ITスタッフなどをユーザーが用意することなく、サービスとしてオンプレミスのS/4HANA機能の大半を利用できる。このSaaSバージョンを提供するクラウドプロバイダーのプラットフォームには、SAPの「SAP Cloud Platform」、Googleの「Google Cloud Platform」、IBMの「IBM Cloud」、Amazonの「Amazon Web Services(AWS)」、Alibaba Groupの「Alibaba Cloud」、Microsoftの「Microsoft Azure」などがある。S/4HANA Cloudを選び、それをSAPのクラウドで運用する企業は、パブリッククラウドであるSAP Cloud Platformとプライベートクラウド「SAP HANA Enterprise Cloud」のどちらかを選ぶ必要がある。
おわびと訂正(2018年10月4日午後3時30分)
初出時SaaSの説明について「SaaSバージョンを導入すると、S/4HANAのオンプレミスバージョンで必要なハードウェア、データベース、ITスタッフをほぼ全て、選択したクラウドベンダーが提供・管理する。そのため、ユーザーはそれらを用意することなくオンプレミスのS/4HANA機能の大半を利用できる」と記載しておりましたが、「SaaSバージョンを導入すると、S/4HANAのオンプレミスバージョンで必要なハードウェア、データベース、ITスタッフなどをユーザーが用意することなく、サービスとしてオンプレミスのS/4HANA機能の大半を利用できる」の誤りでした。おわびして訂正いたします(TechTargetジャパン編集部)。
S/4HANAのハイブリッドクラウドにはIaaSとPaaSの2つのオプションがある。このオプションでは、一部の資産をオンプレミスで管理し、その管理に関連するサービスを実行することになる。残りの資産はクラウドプロバイダーが管理する。IaaSでは、企業はアプリケーション、データ、ランタイム、ミドルウェア、OSを管理し、クラウドプロバイダーが仮想化、サーバ、ストレージを提供する。PaaSでは、企業はアプリケーションとデータのみを管理し、それ以外はクラウドプロバイダーが対応する。どちらのオプションでも、クラウドプロバイダーを選択し、S/4HANA Cloudの場合と同様、クラウドアプリケーションをパブリッククラウドとプライベートクラウドのどちらでホストするか決める必要がある。
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