SAPのカンファレンス「2018 SAPPHIRE NOW」のパネルディスカッションの内容から、SaaSの「SAP S/4HANA Cloud」に移行する中堅企業や大手企業の動機と期待するメリットについて詳しく紹介する。
2017年に開催したSAPのカンファレンス「SAPPHIRE NOW」で語られた「SAP S/4HANA Cloud」への移行に関するストーリーでは、急成長をもくろむ比較的小規模な企業が中心になっていた。だが、2018年のSAPPHIRE NOWにおける「Embark on the Journey to S/4HANA Cloud」(S/4HANA Cloudへ向かう旅の始まり)と題されたパネルディスカッションでは、数十億ドルの売り上げを誇る企業が大きく取り上げられた。アジリティーを求める大手企業にとってS/4HANA Cloudが実用的な選択肢になり得ることを証明してみせた。
SAP S/4HANA Cloudが初めて紹介されたのは2017年2月のことだ。SAPの最新世代ERPプラットフォームのSaaS(Software as a Service)であるS/4HANA Cloudは、やや不安感をもって迎えられたと報道では伝えられた。このクラウドバージョンを選ぶ可能性が高いのは、比較的規模が小さく、急成長している企業だと見られていた。インフラコストを低く抑えるためだ。だが、2018年のSAPPHIRE NOWでは、SAPのCEOを務めるビル・マクダーモット氏が「SAP S/4HANA Cloudは8700社の顧客に利用されている」と発表した。パネリストが指摘したように、SAP S/4HANA Cloudに移行する決断は、ビジネスの簡略化や導入の高速化と関連する部分が大きくなっている。
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