MicrosoftやCiscoとしのぎを削るAmazon
「Alexa for Business」、Amazon Echo以外のデバイスでも利用可能に
Amazonの企業向け音声アシスタント「Alexa for Business」が、Amazon Echo以外のデバイスで利用できるようになる。Webサービスとの連携など、ビジネス向け機能も追加される。
Amazon.com傘下のAmazon Web Services(以下、Amazon)は2018年10月、企業向け音声アシスタントサービス「Alexa for Business」を、PlantronicsやBlackBerryといったAmazonのサードパーティー製デバイスにも展開できるようにすると発表した。これまで同サービスは「Amazon Echo」デバイスでしか動作しなかった。提供開始から約1年を経た今、サードパーティーのパートナーシップによってサービスの利用を促進する狙いだ。
併せて読みたいお薦め記事
Alexa for Businessはビジネスをどう変えるか
- 音声通話の再発明、「Alexa」などの音声アシスタントは企業に何を突きつけるか
- Alexa for Businessを導入すべき理由と、導入すべきでない理由
- 「Alexa for Business」がオフィス向けスマートスピーカーで圧倒的な好位置にいる理由
音声アシスタントの最新動向
ユーザー企業はAlexa for Businessを導入しやすくなりそうだ。これからは、会議室に設置して利用するPolycom(Plantronicsの子会社)の音声会議デバイス「Polycom Trio」といった、既に所持しているハードウェアでサービスが利用できるようになる。会議室に置かれたAlexa対応デバイスを音声で操作し、オンライン会議を開始するといったことが可能だ。Alexa for Businessは電子メール、カレンダー、ビジネスアプリケーションと連携するので、従業員は音声で基本的な作業ができるようになる。
Alexaの導入にはハードルも
AmazonはPlantronics、iHome、BlackBerry、Linkplay、Extronと提携し、これらのベンダーが進める「Alexa Voice Service SDK」と互換性があるデバイスの提供に協力する。ユーザー企業はEchoデバイスと、こうしたサードパーティーの電話やスピーカーを同じインタフェースから管理できるようになる。
ユニファイドコミュニケーション(UC)市場で、AmazonはMicrosoftやCisco Systemsとの競合に直面している。両社はそれぞれコラボレーションアプリケーションの「Microsoft Teams」「Cisco WebEx」にAI音声アシスタントを追加している。AmazonはGoogleおよびAppleと常にしのぎを削っており、3社とも消費者向けの音声アシスタントに多大な投資をしている。
AmazonとMicrosoftは2018年に、消費者向けAlexaと「Microsoft Cortana」を連携させる。Alexa対応デバイスでCortanaの基本機能を使ったり、Cortana対応デバイスでAlexaの基本機能を使ったりできるようにすると発表している。Alexa for Businessは連携対象から除外されており、このパートナーシップは、消費者市場をターゲットにしているようだ。
Nemertes Researchのアナリスト、アーウィン・ラザー氏は、多くの企業がAI音声アシスタントのセキュリティを懸念していると指摘する。IT管理者は、音声データがどこで処理、保存されているかを気にしており、対応デバイスは秘密の会話も聞いているのではないかと心配する向きもある。
「音声アシスタントは興味深いが、今のところ、企業が導入検討のための調査に力を入れているものではないことが明らかになっている」(ラザー氏)
Alexa for Businessの機能拡充を進めるAmazon
Amazonは最近、Alexa for Businessに幾つかの重要な機能を追加することも発表した。
Alexa for Businessに、ユーザーのスケジュールの空きを見つける機能が追加される。例えば「木曜日に45分間の空きがあるのはいつ?」と尋ねると、Alexaが空きのある時間帯のリストを生成する。
ユーザーはAlexa for Businessを使って、朝一番に知りたい情報を入手することもできるようになる。「Alexa, good morning(おはよう)」といったフレーズで話し掛けると、カスタマイズした応答(天気予報、交通状況、カレンダーの予定イベントなど)をすることが可能になる。
AmazonはKayak、National Hockey League、TV Guideなど幾つかの企業との提携により、重要なイベントのリマインダーを設定するためのAPIを提供する。旅行検索サービスKayakとの連携では、Alexaでフライト予定のリマインド機能が利用できるようになる見通しだ。
ユーザー企業が使えるのはAlexa for Businessのビルトイン機能だけではない。Amazonは、同サービスで使う社内向けのカスタムアプリケーションを作成するためのツールキットも提供している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[日本オラクル株式会社] ピンチをチャンスに変えたEPR製品は? 先行企業の導入事例3選 -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] 無自覚なリスク 秘伝Excelファイルが監査の壁、不正・ミスの温床となる理由 -
製品資料
[日本オラクル株式会社] 戦略的経理の第一歩 失敗のない「脱Excel」を実現する秘訣とは? -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] いまさら聞けないオンプレERPとクラウドERPの違い 最適な製品をどう見極める? -
事例
[株式会社ビザスク] 連結売上高が約2倍に成長、富士フイルムが実践した新規事業創出の戦略とは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
3
「ノートPC派」は損をしている? Dellと考える“自作PC”のメリット
-
4
「業務改善とツール活用」に関するアンケート
-
5
LINEヤフーはなぜ「社内の管理者」すら信用しないインフラを作ったのか
-
6
慶應義塾が「Notion」を選んだ理由 AI導入の盲点になる“情報のサイロ化”
-
7
1200万円のSaaS導入を回避 スギ薬局「運用費10万円」のAIエージェント構築術
-
8
「GitHub Copilot」3000人に配布も基本機能しか使われない 保険大手が得た教訓
-
9
「Copilot」はなぜ放置される? “議事録要約止まり”を脱する処方箋
-
10
IBM iのブラックボックス化を打破 資産継承と進化を実現する「IBM Bob」の実力
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
2
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
3
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
4
バックアップは“取っているから大丈夫”なのか? ランサムウェア時代の備え方
-
5
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
6
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
7
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
8
5分で分かる Microsoft 365のデータ損失に備えるためのバックアップの仕組み
-
9
ネットワーク遅延の原因、「パケットロス」の基礎知識と効果的な解決策
-
10
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー