ERP導入プロジェクトを進めるに当たっては、コンサルタント選定の適否が失敗と成功の分かれ目になる可能性がある。どの専門家も口をそろえて「コンサルタントを賢く選ぶべきだ」という。
ERP導入の成否を決める要素は幾つもある。
中には明らかに必要でも過小評価されることが多い要素もある。それがERPコンサルタントや導入パートナーの正しい選択だ。こうした専門家は、プロジェクトの目標に向けて足並みをそろえる必要がある。だが、もっと大切なことがある。それはこうした専門家が全体的な企業気質や文化に同調することだ。
ここ数年のERP関連サービスの進化は目覚ましい。SaaS(Software as a Service)やハイブリッドサービスを見ればよく分かる。だが導入やアップグレードを支援するERPコンサルタント分野の潜在力にはそれほど変化がない。DeloitteやAccentureなど、世界大手のコンサルティング企業がターゲットにするのは、大抵「Fortune 500」に名を連ねるような大企業だ。他にも、システムインテグレーター(SIer)や付加価値再販業者(リセラー)も数多くあり、こうした企業は一般的に特定のERPプラットフォームと提携している。特定の業界やテクノロジーについての専門知識を有する小規模な独立系コンサルティング企業も増えている。
具体的にERPコンサルタントを選ぶのも難しいが、クラウドかオンプレミスかといったカテゴリーを正しく選ぶのも簡単ではない。現在では、新しいクラウド環境や、クラウドとオンプレミスのハイブリッド環境にERPを導入することが、メーカーのデジタルトランスフォーメーション戦略の中心的役割を果たすことが多い。
企業向けソフトウェアコンサルティング会社Enterprise Applications Consultingの社長を務めるジョシュ・グリーンバウム氏は次のように話す。「選んだパートナー企業が原因で失敗したプロジェクトを数多く目にしてきた。パートナー企業の専門業界が違った、パートナー企業の重点分野が違った、実際の価値が提供される前にパートナー企業を理解するのに時間がかかった、などがその理由だ。ERPプロジェクトは失敗が許される範囲が非常に小さい。中小企業は特に失敗の影響度が大きく、壊滅的になる恐れがあるため、失敗は許されない」
今と昔ではERPコンサルタントの選別に大きな違いがある。最も大きな違いは、プロジェクト管理や変更管理、カルチャーフィット(組織の価値観や理念に対する適応性)の確保のようなソフトスキルが非常に重視されるようになったことだ。ERPはテクノロジーの点では常に骨の折れる仕事だ。それは今も昔も変わらない。だが、クラウドベースの提供により、導入は少し楽になっている。
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