ネットワーク、ソフトウェアの観点も紹介
今のサーバを5年以上使い続けるには? 耐用年数を延ばす3つのテクニック
IT管理者はサーバのCPUやメインメモリ、ネットワークハードウェアをアップグレードすることで、サーバの円滑な運用を維持し、リソースを最大限に活用できる。
企業がデータセンターで使用するサーバの耐用年数は、3~5年といわれている。その耐用年数を超えてサーバを保護するために役立つ、メンテナンスのヒントが幾つか存在する。メインメモリやネットワークカードを新しくしたり、ソフトウェアを最新状態に保ったりすることがその例だ。
物理的に清潔さを保つこともサーバメンテナンスの重要な側面となる。適切にメンテナンスしている大規模データセンターは、清潔さの点では問題にならないだろう。だが規模の小さいデータセンターには、ほこりの塊がたくさんある。ほこりがどれだけたまっているのか知るすべはない。
1、2年ごとにサーバを徹底的に掃除することが大切だ。サーバの電源を落とし、エアダスターでほこりを吹き飛ばしてきれいにする。掃除機を使って定期的に掃除することも大切だ。空調設備のフィルターに汚れがないことも確認しておきたい。想定外のダウンタイムよりも予防策に時間をかける方が、はるかに適切だ。
本稿では、サーバの耐用年数を可能な限り延ばすためのテクニックを紹介する。紹介するのは、以下の3つだ。
- 耐用年数途中でのアップグレード
- ネットワークのアップグレード
- ソフトウェアのアップデート
この3つのテクニックについて、詳しく説明しよう。
テクニック1.耐用年数途中でのアップグレード
企業は、予算や想定するワークロード(システム)の水準に合わせてサーバを購入する。サーバ導入の1、2年後に、ハードウェアに使える予算が増えることがある。ワークロードの変化が、耐用年数の途中でハードウェアをアップグレードする正当な根拠になることもある。サーバをアップグレードすることで、パフォーマンスや容量、有用性を改善できるからだ。
耐用年数の途中でサーバをアップグレードするには、まずどのサーバに新しいハードウェアが必要かを特定する。サーバ監視ソフトウェアを使用して、稼働時間やスレッド(CPUの最小処理単位)数、アプリケーションの応答性を評価する。このような機能を持つサーバ監視ソフトウェアには、
- オープンソースソフトウェア(OSS)の「Nagios」「Hyperic HQ」
- IT管理ベンダーSolarWinds Worldwideの「Network Performance Monitor」
- IT管理ベンダーGFI Softwareの「GFI Network Server Monitor」
などがある。これらのサーバ監視ソフトウェアが示す指標から、アプリケーションを適切に実行するのに必要なハードウェアやストレージ容量が分かる。
サーバにメインメモリを追加する場合は、メモリモジュール規格DIMM(Dual Inline Memory Module)に準拠した仕様の空きスロットに装着するか、全てのDIMM準拠メモリモジュール(以下、DIMMモジュール)を容量の大きなタイプに交換する。DIMMモジュールは各サーバ内で一貫性を保つ必要がある。可能であれば、サイズやデータ転送速度、メーカーを同じにするのが理想的だ。そうすることで電気的な特性やタイミングの特性が一貫し、列アドレスを伝達する信号であるCAS(Column Address Strobe)信号のアクセス遅延が低減される。
メインメモリを追加する際は、1台のサーバに新しいメインメモリおよびDIMMモジュールを全て配置し、別のサーバには古いメインメモリおよびDIMMモジュールを搭載したままにするとよい。そうすればストレージパフォーマンスの効率が最も高くなる。タイミングや種類、アーキテクチャなど、多種多様な特性を持つDIMMモジュールを組み合わせると、ストレージの品質が時間の経過とともに劣化する恐れがある。
DIMMモジュールを同じ性質にそろえたら、アクティブなワークロードを中断しないことを確認しなければならない。その後でハードウェアの移行を始めるのが好ましい。
内部の一貫性を保つためにCPUを更新することもできる。場合によっては、DIMMモジュールやCPUを搭載済みのサーバを購入する方が適切なこともある。
テクニック2.ネットワークのアップグレード
アップグレードの一環としてCPUとメインメモリを拡張することの他にも、サーバメンテナンスのヒントがある。それは、サーバがネットワークを適切に補助できているかどうかを評価することだ。ハードウェアパフォーマンスとネットワーク速度の差は、ボトルネックの原因になる恐れがある。そのためサーバの耐用年数内にネットワークハードウェアをアップグレードすることが欠かせない。
40ギガビットイーサネット(GbE)や32Gbpsのファイバーチャネル(FC)などの新しいネットワーク標準は、サーバ間通信における一貫性のあるデータ転送と低遅延率を実現する。とはいえ、最新のネットワークスイッチやケーブルを導入すれば、自動的にデータ伝送速度が改善し、ボトルネックが解消されるわけではない。サーバのネットワークカードで、想定するデータ伝送速度を実現できるかどうか確認する必要がある。ネットワークカードとの互換性の有無も確かめなければならない。
最適な選択肢は、可能な限り高速のデータ伝送速度を実現できるネットワークカードを備えた、新しいサーバを購入することだ。高速ネットワークが利用できるようになったときに、そのサーバに交換するよう計画する。新しいサーバを購入できない場合は、ネットワークカードの刷新がサーバメンテナンスのヒントになる。新しいネットワークカードを古いサーバに組み込むと、ワークロードやリソース管理、サーバ利用に変化がなくても必要なCPUリソースが増える。
テクニック3.ソフトウェアのアップデート
ソフトウェアとファームウェアのバージョンアップデートは、既に通常のサーバアップグレードに含まれているはずだ。これらの作業によって安定性とパフォーマンスが改善できる。規則正しいアップデートサイクルは、機能停止のインシデントを防ぎ、サーバインフラの価値を最大限に引き出すのに役立つ。
定期アップグレードによって、サポートサービスとの連携を維持しやすくなる可能性がある。期限切れのファームウェアやソフトウェアで作業することもなくなる。マイナーアップデートを通常の運用手順に組み込むと、メジャーバージョンアップデートの適用が容易になり、サポート対象のバージョンを継続的に使えるようになる。
ほとんどの組織ではOSやハイパーバイザーのアップデートに対する準備は整っている。だがBIOSやファームウェアのアップデートは見過ごされることが少なくない。サーバとデータセンターの正常性を長期にわたって保つには、実行可能な全てのアップデートを適用しなければならない。
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