ロボティックプロセスオートメーション(RPA)を推進するには、複数の要素のバランスを取ることが欠かせない。エンドユーザーの賛同を得ることや、RPAの効果を上げる戦略も必要だ。IBMが米サンフランシスコで開催したカンファレンス「Think 2019」で、各社経営幹部はそのように述べた。
Think 2019では、TTI、Suncor Energy、Keppel Infrastructure Holdingsの経営幹部がRPAを導入した経験について語った。
米テキサス州を拠点とする電子機器メーカーTTIでは、RPAの導入に当たって社内ワークショップを開催した。TTIでIT部門のシニアバイスプレジデントを務めるスーザン・サムナーズ氏によると、そのワークショップでは、財務、製造、営業部門向けbotの作成に注力することが決まったという。これらの部門に、自動化によるメリットを受けられそうな重要なプロセスが幾つかあることを確認したためだ。
RPA導入初期に実施した別のプロジェクトでは、TTIの国外事業をターゲットにした。国外事業では、従業員が主に手作業で業務をしていた。労働力のコストは安価でも、米国の営業担当者や製品担当者は、成果が得られるまで1日待たなければならなかった。「こうした遅れを排除し、できるだけ迅速に作業が終わるよう効率化することに重点を置いた」とサムナーズ氏は語る。
初期プロジェクトのおかげで、RPAの導入はスムーズに進んだとサムナーズ氏は言う。夏の間に同社の研修生が、TTIの導入パートナーを務めるBP3 Globalの指導を受けて最初のbotを幾つか導入した。今ではTTIの運用環境に10個のbotが導入されている。これらのbotにより、同社は既に約60万ドルを節約でき、約18人分の労働力を削減できたという。
ゆくゆくは、従業員1人当たりの収益向上を目標としたRPAの研究拠点を築くことを計画しているとサムナーズ氏は言う。TTIは今後6カ月で約30個のbotを立ち上げる計画だ。
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