次世代のRPA型bot「デジタルレイバー」「デジタルペルソナ」とは何か?単純作業から、複合的な作業の自動処理へ

ロボティックプロセスオートメーション(RPA)は、個々のタスクを自動化するものから、特定業務の仕事全体を自動化するものに進化し始めている。RPAベンダー大手Automation Anywhereが提供する「デジタルワーカー」がその一例だ。

2019年03月07日 05時00分 公開
[Mary K. PrattTechTarget]
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 業務自動化の次の流れは、特定のタスクを自動化する従来のロボティックプロセスオートメーション(RPA)から、特定業務の仕事全体をほぼ全て代行するデジタルワークフォースへと向かっている。

 RPAベンダーは既に、特定業務の仕事全般を代行する次世代のRPA型botを提供し始めており、それを「デジタルペルソナ」や「デジタルレイバー」と呼ぶ。

 「こうした技術はこれまでのRPAより広範な仕事を代行できるため、デジタルレイバー(労働者)と呼ぶのがふさわしい」とコンサルティング会社PwCの新サービス・先進技術責任者を務めるスコット・ライケンス氏は語る。「RPAを複合的なbotに合成することによって、フルタイムの従業員と同等とまではいえないものの、特定業務の仕事の大部分を代行できる」

 RPAベンダー大手のAutomation Anywhereが新しく提供するデジタルワーカーが好例だ。同社の各種デジタルワーカーは企業の一般的な職務の担当業務を代行する。例えばAmazon Web Services(AWS)向けのデジタルワーカー「Digital AWS IT Admin」(デジタルAWS IT管理者)は、

  • サポートチケットの読み取り
  • ユーザーパスワードのリセット
  • 「Amazon Elastic Compute Cloud」(Amazon EC2)インスタンスの作成
  • 使用状況レポートの生成

などを実行する。他に「Digital Azure IT Admin」「Digital Google Cloud IT Admin」「Digital SAP Accounts Payable Clerk」などもある。

 同社でデジタルワーカーエコシステム製品マーケティングディレクターを務めるムクンド・スリゴパール氏は「人の役割を軸にして自動化のアクティビティーを構築することは、当社のエコシステムの非常に明確な方向性だった」と話す。

 ロボティクスや機械学習、人工知能(AI)によって、個々のタスクだけでなく特定の職務の仕事全体を自動化する製品を開発しているのはAutomation Anywhereだけではない。Arago、Blue Prism、IPsoft、Kryonもデジタルワークフォース技術に取り組んでいる。

 専門家は、企業の業務部門とIT部門のトップたちによるRPA型botの導入拡大を受け、自動化技術のベンダー各社は一斉にこの方向に向かうものとみている。

 コンサルタント企業Gartnerのリサーチディレクターを務めるステファニー・スタウトハンセン氏によると、RPAの導入は急速に拡大しており、RPAソフトウェアベンダーの中には3桁の増収を達成した会社もあるという。

 こうした市場の拡大を受けて、RPAベンダー各社はさらに先を見据え、より高度な機能の提供へ進み始めているようだ。

 Gartnerの調査結果によれば、ベンダー各社のRPAソフトウェア製品ロードマップは「コンピュータビジョンや、既製オートメーション、自動スケールシステムを活用した高度な機能の計画を示している」とスタウトハンセン氏は指摘する。Gartnerは、RPA市場はタスクを対象とする自動化からプロセスレベルの自動化にシフトし、いずれはプロセスオーケストレーションに進むと予想している。

自動化の課題

 企業におけるRPAソフトウェアの活用には課題もある。

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