「ナンバーワンクラウドベンダー目指す」日本マイクロソフト、その秘策は?業種ごとの導入支援と顧客トレーニングに注力

日本マイクロソフトは2020年、業種別に特化した体制でクラウドの導入支援を充実させる方針だ。「Microsoft Azure」の社外向けトレーニングも強化する。

2019年09月27日 16時00分 公開
[上田 奈々絵TechTarget]
写真 日本マイクロソフトの前社長で、現在はMicrosoftのバイスプレジデントを務める平野拓也氏

 「2020年度に『ナンバーワンクラウドベンダー』になる」――。日本マイクロソフトは2019年8月に開催した2020年度(2019年7月1日〜2020年6月30日)の経営方針記者会見で、こう宣言した。クラウドサービス群「Microsoft Azure」(以下、Azure)を中心に強化策を進める。

 冒頭の宣言をしたのは、2019年8月31日まで日本マイクロソフトの代表取締役社長を務めた平野拓也氏だ。平野氏は2019年9月1日から、Microsoft米本社でパートナー戦略を統括する部門のバイスプレジデントを務める。日本マイクロソフトの特別顧問も兼務する。

クラウド分野が成長をけん引

 2019年度を通したMicrosoftのグローバル全体の売上高は約1258億ドルで、前年度比で約14%増加した。この成長への貢献度が高かったのはAzureの他、オフィススイート「Office 365」、ERP(統合業務)/CRM(顧客関係管理)サービス「Dynamics 365」を含むクラウドサービスだった。これらを含むクラウドサービス事業の売上高は、合計で381億ドルに達した。特にAzureの成長が顕著で、2019年度第4四半期の売上高は、前年同期比で約64%増となった。

 国内での売上高は公開しなかったものの、平野氏は「Azureをはじめとしたクラウド事業の成長率はグローバル平均を上回った」と説明し、クラウド事業の好調ぶりを強調した。

 Azureが日本市場で成長した理由として、平野氏は下記の項目を挙げた。

  • 日本企業のクラウドに対する理解が深まった
  • Azureの国内データセンターを増設し、セキュリティや各種規制などの要件から国内データセンターを利用したいというニーズに応えた
  • セキュリティを含めたリスク対策を強化し、クラウドに対する企業の不安に対処した
  • パートナー企業のAzureに関するスキルが向上し、提案力が上がった

業種特化の体制でAzureの導入支援を進め、国内ナンバーワンクラウドベンダーへ

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