2020年04月21日 05時00分 公開
特集/連載

AIの乳がん診断精度は“医師超え”へ それでも研究者が実用化に慎重な理由放射線医学におけるAI技術の進歩【後編】

AI技術を活用し、医師よりも高精度の乳がん診断の実現を目指すシステムの研究開発が盛んだ。ただし研究者は、こうしたシステムの市場投入には慎重を要するという見解を持つ。それはなぜなのか。

[Makenzie Holland,TechTarget]

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 Googleの医学研究機関「Google Health」が国際的な総合科学ジャーナル「Nature」に発表した論文「International evaluation of an AI system for breast cancer screening」(乳がん検診AIシステムの国際評価)は医学業界に賛否を巻き起こしている。オレゴン健康科学大学(Oregon Health & Science University)の医学部で准教授を務めるビナイ・プラサード氏は、自身の「Twitter」アカウントでこの論文に対する疑問をツイートし、多くの反響を呼んだ。

 この論文は乳房専用のエックス線検査「マンモグラフィ」による乳がん画像診断に人工知能(AI)技術を利用した場合の検出精度を評価したものだ。Google HealthのAI技術を用いたスクリーニング検査の精度は、放射線科医よりも高かったという。前編「Google Healthの乳がんAI検診システムが医学業界に賛否両論を巻き起こす理由」に続き、後編ではプラサード氏の見解を詳しく紹介。AI技術を用いた乳がん検診システム(以下、乳がん検診AIシステム)の研究動向も解説する。

乳がん検診システムに求められる役割

 乳がん検診では、

  • 異常なし(non-cancerous)
  • 良性(non-harmful cancer)
  • 治癒可能(curable cancer)
  • 転移(spread-already cancer)

という4つを区別する必要がある。「これは放射線科医でさえ、がん検診での判断が難しいことだ」とプラサード氏は指摘する。

 「最終的にAI技術はがん検診の役に立つと予想する」とプラサード氏は前置きしつつ、「研究者はもっと簡単な問題から始めるべきだ」と指摘する。AI技術で乳がん検診のような分野に取り組むのは「小さな山で予行演習をせずにエベレストに登頂しようとするようなものだ」と同氏は言う。

乳がん検診技術の「失敗の歴史」を繰り返さない

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