Microsoftが「Teams」へのメール機能の実装に二の足を踏む理由「Slack」の存在が影響か

「Microsoft Teams」にメール機能を追加してほしいという声が集まっている。この案は2018年から「検討中」のままだ。技術的な課題は多くないにもかかわらず、Microsoftがメール機能を実装しない理由は。

2020年04月20日 05時00分 公開
[Jonathan DameTechTarget]

 Microsoftが提供するビジネスチャットツール「Microsoft Teams」に対して、メールへのアクセス機能の追加を求めるエンドユーザーの数は6000人を超える。しかしMicrosoftはこの案を2018年から2年にわたって棚上げにしている。

 Teamsからメールを送受信できないことが、ユーザー企業内のTeams利用拡大の妨げになっている場合もある。保険会社Everest Reinsuranceでデジタルワークプレイス部門長を務めるダン・マリガン氏は「Teamsを使ってメールの送受信ができれば理想的だ」と語る。

 メール機能があればアプリケーション間を行き来する必要がなくなり、1つのインタフェースで全ての作業ができるようになるため「社内でのTeams利用ももっと広がるだろう」とマリガン氏は話す。Microsoft製のメールアプリケーション「Microsoft Outlook」のエンドユーザーにとって、TeamsへのOutlookタブの実装は、Teamsの利便性を高める手段になるとマリガン氏は言う。

 TeamsにOutlookタブを追加してほしいというエンドユーザーからの要望は、2016年からあった。Teamsユーザー向けにMicrosoftが用意するフィードバック用Webサイトでは、この案に6000票の賛同が集まっており、特に要望の多い機能の一つになっている。

 しかしMicrosoftの担当者は2020年2月、同Webサイトへの投稿で、この案がまだ検討段階であることを示した。

 専門家によると、エンドユーザーから要望の多い他の機能と比べ、TeamsへのOutlookタブの追加は比較的簡単にできるはずだという。Microsoftが作成したチュートリアルも、同社がエンドユーザーに提供する開発キットを使って、Outlookタブを自作する手順を示している。

 コンサルティング企業Modality Systemsで主席ソリューションアーキテクトを務めるトム・アーバスノット氏は「メール機能の実装は技術的に難しいわけではないのだから、Microsoftの判断によるものだろう」と推測する。

「Teams」にメール機能は本当に必要か

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia マーケティング新着記事

news132.jpg

ハロウィーンの口コミ数はエイプリルフールやバレンタインを超える マーケ視点で押さえておくべきことは?
ホットリンクは、SNSの投稿データから、ハロウィーンに関する口コミを調査した。

news103.jpg

なぜ料理の失敗写真がパッケージに? クノールが展開する「ジレニアル世代」向けキャンペーンの真意
調味料ブランドのKnorr(クノール)は季節限定のホリデーマーケティングキャンペーン「#E...

news160.jpg

業界トップランナーが語る「イベントDX」 リアルもオンラインも、もっと変われる
コロナ禍を経て、イベントの在り方は大きく変わった。データを駆使してイベントの体験価...