Microsoftは「Microsoft Teams」と個人向け「Skype」で相互に通話とメッセージの送受信ができる機能を2020年3月中に提供する見込みだ。ただし過去の出来事を踏まえると、計画通りに進むかどうかは予断を許さない。
ビジネスチャットを中心としたチームコミュニケーションサービス「Microsoft Teams」と個人向け音声通話ソフトウェア「Skype」間の連携が2020年3月に実現する。この連携により、Teamsと個人向けSkypeのエンドユーザー間でチャットや通話ができるようになる。
Skypeの企業向けサービス「Skype for Business」では、以前から個人向けSkypeとの連携機能を提供している。この機能を社外とのコミュニケーションに利用している企業は少なくない。ただしMicrosoftはSkype for Businessを2021年に終了することと、同サービスの機能をTeamsに完全移行することを予告済みだ。
調査会社451 Researchでアナリストを務めるラウル・キャスタノン・マルティネス氏は、Teamsと個人向けSkypeとの連携が実現していないことは、TeamsがまだSkype for Businessと同じ機能を用意できていない事実を強調していると語る。Microsoftは2018年に、TeamsにSkype for Businessと同等の機能を追加する計画を策定したと発表したが、両者の機能にはまだ開きがある。
マルティネス氏は、Skype for BusinessとTeamsの機能が同等ではないことを踏まえて「MicrosoftはSkype for BusinessのユーザーにTeamsへの移行を勧めるべきではない」と述べる。「個人向けSkypeとTeamsの連携は、Microsoftにとって最優先事項の一つだ」(マルティネス氏)
Teamsユーザー向けにMicrosoftが用意するフィードバック用Webサイトでは、Teamsと個人向けSkypeとの連携を求める投票に3000票以上が集まった。Microsoftは当初、2018年第2四半期中にこの機能を実現すると発表したが、2018年5月には「優先度の変更」を理由に再検討項目に格下げしていた。
TeamsについてMicrosoftが公開しているロードマップによると、追加を計画している機能が20件以上ある。ただしオフィススイート「Office 365」のグループ予定表にアクセスする機能や、チャネルをアーカイブ(保管)する機能など、ユーザーから要望の多い複数の機能について、提供開始日をまだ発表していない。
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