新型コロナウイルスの感染対策として在宅勤務を導入する動きが広がっている。その手段として「DaaS」を活用するメリットと注意点を解説する。
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の流行は、組織に災害時の事業継続計画(BCP)の見直しを迫っている。既に在宅勤務に切り替えたり、移動を制限して会議への参加や会議自体を中止したりする企業も出ている。専門家によると、パンデミック(感染症の世界的な大流行)が起きても業務を維持する方法を模索している企業は「VDI」(仮想デスクトップインフラ)や、VDIをサービスとして利用できる「DaaS」(Desktop as a Service)が理想的な手段だと考える可能性があるという。
調査会社Forrester Researchのアナリストを務めるアンドリュー・ヒューイット氏は「新型コロナウイルスによって、テレワークの選択肢を用意しなければならないというプレッシャーが企業にかかっている」と説明する。テレワークを実現するさまざまなテクノロジーの中でも、VDIは「災害シナリオに役立つ可能性がある方法の一つであることは間違いない」とヒューイット氏は話す。特に従業員が依然として従来のデスクトップを使用している場合や、コールセンターのような非常に均質的なデスクトップ環境には効果的だという。
新型コロナウイルスが原因で大規模な集まりの代わりになる手段を探すことになったことは「疑いようがない事実だ」と、調査会社Constellation Researchでバイスプレジデント兼主席アナリストを務めるディオン・ヒンチクリフ氏は述べる。ヒンチクリフ氏によると、同氏が最近話を聞いた最高情報責任者(CIO)やIT部門の責任者は、テレワークの実現に向けたポリシー、テクノロジー、利用可能なインフラリソースの強化に大急ぎで取り組んでいる。「テレワークを実現する際は、VDIやリモートデスクトップといった技術が最も重要になる。現在、この分野のベンダーは非常に忙しくなっていることだろう」と同氏は語る。
調査会社Gartnerのバイスプレジデント兼アナリストを務めるマーク・ロックウッド氏によると、こうした状況がDaaSの普及を促す可能性がある。特に仮想デスクトップを迅速に提供できるDaaSの特徴がその要因だとロックウッド氏は考えている。この状況でIT担当者が苦労するのは、パンデミックによって「CEOから突然、全従業員に在宅勤務が命じられることだ」とロックウッド氏は話す。その場合IT担当者には、オンプレミスのインフラリソースを拡張したり、従業員に配布するノートPCを増やしたりする時間がないと同氏は指摘する。
ロックウッド氏は、組織がDaaSを次々と導入する事態はまだ起きていないと述べる。ただし導入が比較的容易なことやシステムリソースの拡張性を考えると、組織が大規模に在宅勤務を展開する状況に対処するための手段として、最終的にはDaaSを選択する可能性があるという。
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