新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言下でテレワークを導入した企業が、オフィス出社に切り替え始めている。その背景には宣言解除だけではない、各社の事情がある。テレワークを取り巻く動向をまとめた。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対策として、在宅勤務などのテレワークを全面的に導入していた企業の間では、緊急事態宣言の解除を機にオフィス出勤に切り替える動きがある。一方でITベンダーは、テレワークの長期化を見据えた製品・サービスの開発・提供に余念がない。本稿は国内企業のテレワークに関する動向調査や“脱ハンコ”を実現するサービスといった、テレワークに関するニュースを6本紹介する。
「テレワーク中にやむを得ず出社しなければならなかった」理由は? Dropboxが調査
「テレワークをやめた」理由は? パーソル総合研究所が実態調査
5Gとスマートグラスを使った低遅延の遠隔作業支援システム NTTドコモが提供開始
ワークフローと電子署名の連携で"脱ハンコ"を支援、日本ユニシスが新サービス
「テレワーク向けセキュリティ診断サービス」を大日本印刷とサイバートラストが提供開始
自宅や外出先から使えるクラウドグループウェア「eValue V Air」を大塚商会が提供開始
国内法人のDropbox Japanが、国内のナレッジワーカー(知識労働従事者)や企業・組織の有職者を対象に実施した調査では、テレワーク中に出社しなければならなかった理由として「会社に置いてある紙の資料を確認するため」(34.6%)と答えた回答者が最も多かった。「職場のネットワークに接続しないと閲覧できない資料・書類を確認するため」(30.8%)、「郵便物や宅配便を受け取るため」(25.6%)、「稟議(りんぎ)書などの書類の確認・押印をするため」(22.9%)が続いた。紙媒体を扱うために、出社を余儀なくされている実態が明らかになった形だ。2020年4月24日から5月12日にかけて、1000人を対象に実施した。(発表:Dropbox Japan<2020年7月13日>)
同社が2020年5月29日から6月2日にかけて実施した調査では、テレワークを実施していると回答した人の割合は、2020年5月29日の回答者では30.5%、その翌週の6月1日の回答者では23.0%だった。1都3県と北海道の緊急事態宣言が解除された2020年5月26日から、オフィス出社の傾向が強まったと同社は分析する。出社を再開した理由は「テレワークできる業務ではない」が35.7%で最も多く、「テレワークのための制度が整っていない」(30.3%)、「IT環境が整っていない」(21.4%)が続いた。調査は全国の正規雇用者2万人、非正規雇用者1000人を対象に実施した。(発表:パーソル総合研究所<2020年6月11日>)
名称は「AceReal for docomo」。作業者は専門のスマートグラスを装着し、作業者の視点を作業管理者と共有。作業管理者は遠隔で作業状況を把握して、作業者に指示を送ることができる。5G(第5世代移動通信システム)で高画質の映像や音声を低遅延で伝送できることが特徴だ。AceReal for docomoはNTTドコモの5G通信サービスに、サン電子のスマートグラス「AceReal」や業務支援アプリケーション群「AceReal Apps」などを組み合わせた。初期導入費用は3000円(以下、全て税別)から、月額利用料金は約3万円から。(発表:NTTドコモ<2020年7月13日>)
同社が新たに提供する「Uni-ContRact」は、特別な開発や設定をすることなく、ワークフローシステムと電子署名システムを連携させられるクラウドサービスだ。社内外の契約書の作成や顧客の押印など、契約の締結に必要な一連の工程のペーパーレス化を支援する。連携対象のシステムは、ワークフローシステムがOSKの「eValue NS」とディサークルの「POWER EGG」。年額利用料金は150万円。Uni-ContRactのインフラであるクラウドサービス「Microsoft Azure」の月額利用料金(2〜3万円)が別途かかる。(発表:日本ユニシス<2020年7月7日>)
チェックシートへの回答や電話・メールによる質疑応答によって、テレワークに使うサーバやPCの利用状況と情報漏えいのリスクを可視化し、ユーザー企業のニーズに合ったセキュリティ対策を提案する。外出先でのPCやインターネットの利用といった、テレワーク特有の情報システムの利用状況を踏まえて、セキュリティの診断と対策の提案をする。約2週間かけて全ての診断項目とセキュリティ対策支援を実施する「フル診断コース」と、診断項目を絞り約1週間で実施する「スピード診断コース」の2コースをそろえる。サーバの設置場所1カ所当たりの料金は、フル診断コースが100万円、スピード診断コースが30万円。(発表:大日本印刷<2020年7月22日>)
2020年7月28日に提供を始めたのが、OSKのオンプレミス版グループウェア「eValue V」の機能をクラウドサービスとして利用できる「eValue V Air」だ。自宅や外出先などの社外からでも、インターネットに接続できれば利用できる。オンプレミス版eValue Vは、社外からのアクセスにVPN(仮想プライベートネットワーク)などのセキュリティ対策を施したネットワークが必要だった。ワークフローとドキュメント管理、スケジューラー、コミュニケーション機能が利用できるeValue V Airの「総合版」は、30人までの利用で月額利用料金2万4000円(別途、導入時の指導料が必要)。(発表:大塚商会<2020年7月20日>)
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