“AI記者”を実現する「NLG」(自然言語生成)の実力とは?コンテンツ制作におけるAI活用【前編】

AI(人工知能)技術を利用してテキストコンテンツ制作を支援する「NLG」(自然言語生成)。その効果とは、どのようなものなのか。

2020年09月24日 05時00分 公開
[Kathleen WalchTechTarget]

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 記事やインフォグラフィックス、動画などのコンテンツの制作は、ブランドと顧客、政府と国民、組織とその支援者を結び付ける役割を果たす。コンテンツ制作は重要である一方、労力と時間のかかる作業でもある。

 コンテンツを制作するには、クリエイターの多大な労力が必要だ。組織は内部で毎日作成されるコンテンツを管理し、そのためにさまざまな技術の活用を試みている。中で最も有用な技術がAI(人工知能)技術だ。AI技術を活用したコンテンツ制作支援システムを使用すると、コンテンツの作成から管理、分析まで制作ライフサイクル全体で組織の負荷を軽減できる。

“AI記者”を実現する「NLG」のインパクト

 現代のAI技術の長所は、人が読解可能なコンテンツを理解し、処理し、さらには生成する能力だ。特にテキストを中心としたテキストコンテンツの制作プロセスでは、AI技術の活用が既に進んでいる。AI技術の一種である機械学習を自然言語処理に応用した例として、コンピュータが構造化データを自然言語に変換できるようにする技術「自然言語生成」(NLG)がある。

 NLGは、データベースや定量的情報などのさまざまなソースからデータを取得し、それをストーリーのあるテキストに変換する。NLGを利用したテキストコンテンツ制作システムは、レポート業務やSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)投稿、チャットbotの会話、Webサイト用テキストなどを生成するために使用される。

 高度なNLGシステムは、生成したテキストをさらに処理し、テキストコンテンツに人の記者が書いた記事のような個性を与えることができる。NLGシステムを使用すると、大量のテキストコンテンツを短時間で生成できるため、組織は公開数の目標を達成しつつ時間を節約できる。異なる部門が共同でテキストコンテンツを作成している場合でも、AI技術のおかげでブランドとして一貫したメッセージとトーンを保つことができる。

 Associated Press(AP通信)は、AI技術を使用して何千本もの四半期収益レポートやスポーツ記事を生成している。Verizon Mediaが運営するスポーツニュースサイト「Yahoo Sports」は、プロフットボールチームのゼネラルマネジャーを体験できるゲーム「Fantasy Football」のレポートをAI技術で作成。プロバスケットボールチームOrlando Magicは、ファンに向けたメールやアプリケーション内のメッセージをAI技術でパーソナライズしている。

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