低価格モデルの投入や発売直後の値下げなど、デバイスベンダーの間でスマートフォンの価格を下げる動きが広がっている。パンデミックによる影響は否定できないが、アナリストはより根本的な問題があるとみる。
デバイスベンダーは近年かつてなく価格が高騰していたスマートフォンの値下げを強いられている。例えばSamsung Electronicsは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)が始まった2020年3月、北米で「Galaxy S20」を999ドルで発売したが、数週間で値下げしなければならなかった。「Samsung Electronicsは非常に高額な価格設定に打って出たが、計画した台数のごく一部しか売れなかった。彼らの賭けは失敗に終わった」と、調査会社IDCのアナリストであるライアン・リース氏は説明する。
Appleは2016年に、主力モデルの他にローエンドの選択肢も必要だと考え「iPhone SE」を発売した。Huawei TechnologiesとXiaomiも、300〜500ドルながらも機能豊富なスマートフォンを市場に投入している。
調査会社Gartnerは2020年8月に発表した2020年第2四半期(4〜6月期)の市場調査結果で、スマートフォンの世界販売台数が前年同期比で20.4%減少したと説明している。同年第1四半期(1〜3月期)も前年同期比で20.2%減だったことから、スマートフォンの需要が依然として弱いことを示す。IDCが2020年8月に発表した報告も同様で、2020年第2四半期のスマートフォンの需要は前年同期比17%減となった。
COVID-19のパンデミックが直近のスマートフォン販売減をもたらし、それが価格低下につながったことは容易に想像できる。だが価格低下の原因は、スマートフォンそのものにあるとアナリストはみる。
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