「Windows 10」を安全に利用するには、通常のシステム要件以外の点も考慮する必要がある。Microsoftが推奨する「Windows 10」の「Sモード」を使った、PCの安全性を高める方法とは。
Microsoftが「Windows 10」を安全に利用するために推奨しているのは、新しく安全なPCの購入だ。Dell Technologies、HP、Lenovoなど認定ベンダーのPC購入も推奨している。同社の推奨事項には下記のような事項もある。
こうした推奨事項には注意すべき点も幾つかある。
例えばWindows 10のSモードはオンプレミスの認証管理システム「Active Directory」(AD)のドメインに参加できない。これはMicrosoftが、ビジネスユーザーに対して認証管理のクラウドサービス「Azure Active Directory」(Azure AD)への移行を望んでいることを示している。
Azure ADに移行すれば、Microsoft IntuneとWindows Autopilotを使った作業がしやすくなる。具体的な手順は次の通りだ。IT担当者はエンドユーザー用の新しいノートPCを注文し、それが使用される場所に直接配送されるよう手配する。IT担当者はそのPCを物理的にセットアップする必要はなく、Microsoft Intuneで会社用のアプリケーションストアを追加し、購入したノートPCを登録すればよい。エンドユーザーは届いたノートPCの電源を入れ、会社が提供したAzure ADの資格情報でサインインする。
エンドユーザーはIT担当者がカスタマイズしたWindowsのデスクトップを使用する。エンドユーザーが自分で32bit版の古いWindowsアプリケーションをインストールしたり、使用したりすることはできない。実行できるのは、さまざまなデバイスで実行できる「ユニバーサルWindowsプラットフォーム」(UWP)で開発された事前承認済みのアプリケーションのみだ。オフィススイート「Microsoft Office」はUWPアプリケーションとして使用できるため、企業はこの方法で十分な業務環境を用意できる。
これを実現するためにIT担当者が用意しなければならないのは、安全なPC、Microsoft 365およびAzure ADのサブスクリプション、そしてSモードのWindows 10だ。
Microsoft IntuneとWindows Autopilotを使うと、エンドユーザーは極めて簡単にPCを使い始めることができる。新しいPCの初回起動時にAzure ADにサインインするだけでよいのだ。Microsoftが安全性を確保するために設定したWindows 10システム要件は、合理的だと言える。エンドユーザーは社内のドメインに参加する手続きをすることなく、デスクトップをすぐに利用できる。
企業の意思決定者は、Azure ADやMicrosoft Intune、Windows Autopilotを使うこの方法を検討するとよい。この方法を採用した場合、IT担当者がしなければならないことを要約すると下記の通りだ。
脅威に満ちたサイバー空間では、全てのエンドユーザーとデバイスの安全を確保するのはほとんど不可能だ。それでもMicrosoftが推奨する安全な要件を満たし、かつAzure ADドメインに参加しているデバイスでWindows 10 Sを実行すれば、現時点では最大限に安全な状態を実現できるだろう。
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