「Microsoft Endpoint Manager」に、Apple製端末や仮想デスクトップを管理するための新機能が加わる。何ができるようになるのか。
「Windows」端末だけでなく「Mac」などのApple製端末を利用する企業にとって朗報がある。Microsoftは端末管理ツール「Microsoft Endpoint Manager」で、Macや「iPad」といったApple製端末の管理機能を強化する。
Microsoftは2020年9月に開催したオンラインイベント「Microsoft Ignite」で、Microsoft Endpoint Managerに関する機能強化を発表した。主な改善ポイントは下記の通りだ。
Mac関連の新機能として、スクリプトを使って端末にアプリケーションをデプロイ(使用できる状態にすること)したり、トラブルシューティングや特定のタスクを自動化したりする機能が含まれる。エンドユーザーがシングルサインオン(SSO)機能で複数のアプリケーションにアクセスできるようになることも、Mac関連で注目すべき変更点だ。エンドユーザーは複数のユーザー名とパスワードを管理する必要性がなくなる。
iPadでは、IT部門が各iPadのストレージにパーティションを設定することで、個人のデータと会社のデータを分離できるようになる。エンドユーザーはディレクトリ・ID管理サービス「Azure Active Directory」(Azure AD)の仕事用アカウントにログインすることで、会社のデータにアクセスできる。この機能は既に一般利用ができるようになっている。
業界専門家は、今回の変更はMicrosoft Endpoint Managerの有用性を高めるものだと評価する。IT部門の管理作業を効率化し、コスト削減につながる可能性があるからだ。
企業はベンダーや搭載OSを問わず、さまざまな端末を管理する必要に迫られている。調査会社Constellation Researchのアナリスト、リズ・ミラー氏は、Microsoft Endpoint Managerの今回の機能強化について次のように話す。「Microsoftの顧客が異なるツールや端末を横断的に利用し、複数の管理画面を同時に扱わなければならない状況があまりにも多かったことを示している」
Microsoft Endpoint Managerには、リモートアクセス機能の「Microsoft Tunnel」が組み込まれた。エンドユーザーが「iOS」「Android」搭載端末を利用する際にMicrosoft Tunnelを介して社内ネットワークにアクセスすることで、IT部門は会社のポリシーが順守されているかどうかを確認できる。
Windows Virtual Desktopの仮想デスクトップを管理する機能も加わった。IT部門は物理的なPCの管理画面と同じ管理画面で、Windows Virtual Desktopの仮想デスクトップを参照して管理できる。この機能はまだ開発段階だが、2020年内にはパブリックプレビューが公開される見通しだ。
Microsoft Edge向けの管理機能として、Webアプリケーションのセキュリティ対策機能が組み込まれる。IT部門はこの機能を使うと、エンドユーザーが私物端末でMicrosoft Edgeを使う際、Webアプリケーションのデータを端末に残さないように制御できる。
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