英国コンピュータ協会はVMware製品からNutanix AHVに移行してコスト削減に成功した。60以上の仮想マシンの移行は問題にならなかったのか。コスト以外のメリットとは何か。
BCS, The Chartered Institute for IT(英国コンピュータ協会、以下BCS)は、VMware製品から「Nutanix AHV」に移行してオンプレミスサーバを統合した。
BCSは3層アプリケーションに必要なソフトウェアをサポートするため、6台のサーバとストレージを備えたサーバルームを運用してきた。これをNutanixのHCI(ハイパーコンバージドインフラ)に移行することによって、単一のクラスタが実現した。
VMware製品ではWeb開発環境、SQLデータベース、テレフォニーサービス、Linuxサーバ、テスト環境、CRM、多数のWebサービスを60以上の仮想マシン(VM)でホストしていた。これらのVMをNutanix AHVに移行したことで、ハイパーバイザーライセンスのコストを削減できた。
BCSでネットワークエンジニアを務めるデュガル・ウィリアムズ氏は、Nutanixのプロフェッショナルトレーニングプログラム(1週間のオンライントレーニングを含む)を利用して移行に備えた。このトレーニングはNutanixソフトウェアの実装、管理、最適化、スケーリングに必要なスキルと知識をITスタッフに提供する。
Nutanixは最近認定プログラムを拡張し、Nutanix Certified Associate(NCA)も用意している。Nutanixによると、NCAはマルチクラウドでのキャリアを築くための基礎的なプログラムを提供するという。このコースは、Nutanix AHVとVMware製品の主な違い、Nutanixのツールを使ってサーバ仮想化を管理、実装する方法をカバーする。「OSからハイパーバイザーまで、環境全体について学ぶことになる」とウィリアムズ氏は話す。
NutanixのツールはVMware製品からの移行プロセスを簡素化する。「Nutanixが優れているのは、VMwareのハイパーバイザーをサポートする移行/抽出ツールを用意している点だ。この移行ツールがVMware製品環境のVMをNutanix AHVに移行する」とウィリアムズ氏は話す。
BCSはNutanixのダッシュボード「Nutanix Prism」も使っている。このダッシュボードによって、ウィリアムズ氏のチームはNutanix AHVの正常性を管理できる。ウィリアムズ氏によるとNutanix Prismはユーザーフレンドリーで、IT管理者がエラーを特定するのに役立つナレッジベースを提供するという。
Nutanixへの移行は、英国スウィンドンにある本部の計画的移転の一環として行われる。BCSは、クラウドを通じたセキュアなバックアップとディザスタリカバリー(DR)を提供するNutanixの「Xi Leap」も利用する。
Nutanixのソフトウェアは「HPE ProLiant DX Gen10」にデプロイされている。BCSによると、これによりサポート終了間近のサーバとストレージネットワークを単一のNutanixクラスタに置き換え、貴重なラックスペースを節約し、電力と冷却コストを削減できたという。
「当初は新オフィスへの移転とインフラの移行を終えてからDRのオプションを検討する計画だった。だがXi Leapを使えばDRが迅速かつシンプルになり、ハードウェアを追加する必要もないことが分かった。そのため妨げになるものはなくなり、移行自体の支援にも利用できるようになった」(ウィリアムズ氏)
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