日本マイクロソフトが提供する「Windows Virtual Desktop」とは、どのようなサービスなのか。読者からの質問と同社による回答を基に、Windows Virtual Desktopの基本的な情報をまとめた。
Microsoftが2019年に一般公開したDaaS(Desktop as a Service)の「Windows Virtual Desktop」(WVD)。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けてテレワークを取り入れる動きが広がり、その実現手段としてDaaSが再び脚光を浴びる中、Windows Virtual Desktopに関心を寄せる読者は少なくない。TechTargetジャパンが実施した記事中アンケートで読者から寄せられた質問と、日本マイクロソフトによる回答を基に、Windows Virtual Desktopの気になる点をQ&A形式で解説する。まずはWindows Virtual Desktopの概要を見ていこう。
A1 Microsoftがクラウドサービス群「Microsoft Azure」で運用するDaaSだ。デスクトップ仮想化およびアプリケーション仮想化の機能をサービスとして利用できる。
A2 「Windows 10」の企業向けエディション「Windows 10 Enterprise」のマルチユーザー機能である「Windows 10 Enterprise multi-session」(Windows 10 Enterpriseマルチセッション)を利用できることだ。Windows 10 Enterpriseマルチセッションを使うと、ゲストOSとしてWindows 10 Enterpriseを稼働させている1台の仮想マシンを複数のエンドユーザーで共有できる。利用するAzureのリソースを最小限に抑えることができるため、運用のコスト効率を高めることが可能だ。
A3 日本マイクロソフトは、特に以下のようなニーズを抱える企業の利用を想定している。ユーザー企業はWindows Virtual Desktopを利用することで、社内に専用のインフラを抱えることなく、こうしたニーズを満たすことができるという。
A4 ユーザー企業の要件に依存するが、日本マイクロソフトがこれまでの導入事例を参考に試算した結果によると、おおむね設計から利用開始まで3週間から1カ月で完了する。
A5 Windows Virtual Desktopは前述の通り、MicrosoftがAzureで運用するDaaSだ。仮想デスクトップのレスポンスは、利用するAzureのリージョン(地域データセンター群)が左右する。極力エンドユーザーの近くにあるリージョンを選ぶべきだ。
日本マイクロソフトは、レスポンスの指標となるラウンドトリップ時間(RTT:信号の発出から応答が返ってくるまでの時間)を確認できるツール「Windows Virtual Desktop エクスペリエンス見積もりツール」を提供している。リージョンごとのRTTが分かるので、リージョン選択の参考になるだろう。
A6 ゲストOSに「Windows」系OSを利用する際に必要なライセンスは下記の通りだ。主にクライアントOS「Windows 10」「Windows 7」をゲストOSとして利用する場合と、サーバOS「Windows Server」のマルチユーザー機能を使う場合で、必要なライセンスが分かれる。
具体的な料金はユーザー企業の利用形態や保有ライセンスにより異なる。日本マイクロソフトの「料金計算ツール」で確認可能だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
仮想デスクトップは、快適なデジタルワークスペースを提供する手段として活用されているが、Web会議や動画などの利用により、動作の遅延や操作性の悪化が課題になっている。そこで注目したいのがGPU-VDIを活用した仮想デスクトップだ。
Broadcomによる買収後、VMware離れの動きが進んでいる。AWSやRed Hatなどの競合ベンダーは“ポストVMware”の受け皿としてどのような施策を打ち出しているのか。仮想インフラ再編の行方を考察する。
Windows Server 2025では、Hyper-Vの利便性が大幅に強化された上に、リソースの拡張性や高可用性の機能に加えてGPUパーティショニング機能も標準搭載している。本資料では、GPUパーティショニング機能の概要や設定方法を解説する。
従来型の仮想化プラットフォームへの過度な依存が原因で、柔軟性の低下や、モダナイゼーションの停滞といった問題に悩んでいた米国の国防総省。そこで採用されたのが、コンテナとVMを1つのクラスタ上で実行できる統合プラットフォームだ。
これまで仮想化技術は、システム運用の効率化やコストの最適化などさまざまなメリットをもたらしてきた。しかし現在、仮想化基盤は拡張性やアジリティなどのメリットを享受するためにクラウドシフトが求められている。
Web会議が重い「古いVDI」から脱却 攻めのDXを支える“次世代基盤”とは? (2025/6/3)
多くの企業が悩みを抱えるコンテナ/Kubernetes監視のベストプラクティスを探る (2025/5/27)
VMwareからの移行で新たな価値を得るための“最適な移行先”を探る (2024/11/5)
VMware対策に追われるSIer 課題は「移行先の選定」だけではなかった (2024/7/31)
VDI第三の選択肢は「高い、設計が難しい、コストがかさむ」を解消できるか (2024/3/28)
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...