カスタマーエクスペリエンス(CX)戦略について、CEO(最高経営責任者)やCFO(最高財務責任者)、CMO(最高マーケティング責任者)といった経営幹部の賛同や投資サポートを得ることが難しいと考えるCX推進担当者は少なくない。どのようにアプローチをすれば、経営幹部からの理解が得られるのか。
米国のテレビ番組『Shark Tank』(シャークタンク)をご存じだろうか 。複数のリッチな投資家が出演し、ビジネス拡大のための資金を求める起業家からの売り込みを聞くリアリティー番組だ。売り込みは、成功するケースも失敗するケースもある。さまざまな起業家、彼らが見つけたビジネスチャンス、そして彼らのアイデアに投資をする“サメ”たち(同番組では投資家をサメと呼ぶ)の仕事における考え方に興味をそそられる。自らの経営状況を把握し、成功の実績があり、自社製品に真の情熱を持つ起業家は、うまく投資の話を取り付けているように見える。
筆者は「CX戦略に対して、経営幹部の賛同と投資を得られない」と嘆くCX推進担当者との対話にかなりの時間を費やしている。対話相手の何人かは、CX戦略を実行するための投資を経営者に拒否されたことに対する失望と欲求不満をぶちまける。ここで言う「投資」とは、IT製品やサービスに限らず、顧客情報の収集、分析、報告を担当するスタッフなどを含む幅広い資産について言及している。
投資対象には、顧客対応や業務プロセスを改善するためのリソース、調査ツールなどを含む。IT製品/サービスは、企業全体でエンドツーエンドのCX戦略を実行するときに使うツールの一つにすぎない。
CX戦略は、組織内の全ての機能と部門にまたがって統合的に実行する必要がある。四半期ごとのプログラムや月次のスローガンとして設計するものではない。企業がCXについてよくかみ砕き体感しなければ、その価値をどれほど強く信じていても、投資効果は意図した結果をはるかに下回ることになる。
経営幹部へCX投資の必要性を訴える際、CX推進担当者は何に配慮すればよいのだろうか。CX推進担当者が経営幹部に対してプレゼンテーションをする際に考えるべき基本的な要素は6つある。本稿はそのうち2つを紹介する。
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