感染症防止の観点で「Web会議ツール」は欠かせないコミュニケーションツールになった。しかし今では「Web会議疲れ」が表面化し、「電話」の役割を再評価する動きが広がっているという。どういうことなのか。
「Google検索」で調べ物をすることを俗に「ググる」と呼ぶように、近頃はWeb会議をすることを「Zoomする」と呼ぶ俗語が生まれた。Web会議ツールの主流となったZoom Video Communicationsの「Zoom」だけでなく、他のWeb会議ツールの名称も動詞的な俗語になっている。
専用ハードウェアや専用回線を利用するテレビ会議システムは長い間、システムの複雑さと価格がネックとなってなかなか普及しなかった。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による危機的状況を機にテレワークが急速に広がったことで、安価なWeb会議ツールが普及した。製品のユーザーエクスペリエンス(UX:ユーザー経験価値)も向上し、Web会議は一気に標準的なコミュニケーションツールとなった。
どのような技術であっても、新しい技術にとって「使いやすさ」は重要な要素だ。ソーシャルディスタンス(社会的距離)を維持するために離れた場所で仕事をする人々にとって、Web会議は魅力的だった。Web会議は、コロナ禍が収まって従業員が職場に戻れるようになるまでの間、ベストではないがベターなコミュニケーション手段に成長した。体験の目新しさもあって、利用が爆発的に広がったことは想像に難くない。
ただし目新しさはいずれ薄れる。その上、今や「Web会議疲れ」が現実的な問題になってきた。
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