IT運用チームと「NoOps」【前編】
Netflixに学ぶ「NoOps」が目指すべき姿とは?
「NoOps」の目標は運用をなくすことではなく、運用のプロセスを改善することにある。NoOpsとは具体的に何を意味するのか、具体例を交えて紹介する。
開発と運用が一体になる「DevOps」や、さらにそこにセキュリティも加える「DevSecOps」などの用語に加えて、「NoOps」という用語も登場した。これらは全て、ITチームの活動の効率性を改善するという共通の目標を持つ手法を指す。
ある分野における業務プロセスを最適化するための試みには価値がある。だが、その全ての取り組みが、全てのITチームで同様に機能するわけではない。NoOpsはどのようなITチームにとって意味のある手法なのだろうか。
DevOpsという用語にもOps(運用)が入っている通り、ビジネスを発展させるために運用は重要であり、運用スタッフなしで企業がビジネスを継続できるとは到底考えられない。NoOpsは「No Operations」を略した用語であり、文字通りの意味は「運用なし」ということになる。ただしこれはあくまでも努力目標であり、自動化を通じて運用の負担を減らすことが、実際にNoOpsが目指すところだ。
Netflixを例に考える「NoOps」の姿
NoOpsという言葉のニュアンスは、「サーバレス」が意味することに似ている。サーバレスの文字通りの意味は「サーバなし」となる。だが実際にはサーバは関与しており、サーバがどこか別の場所にある。これを参考にすると、NoOpsとはある意味、運用の仕事を他人の問題に替えることだと言える。
先進的な運用チームは、インフラのクラウド化と自動化に着目しているはずだ。これらはNoOpsの重要な要素になる。とはいえ全ての運用を自動化することは難しく、全てを自動化する必要もない。クラウド化も同じだ。ITシステムの全体をクラウドインフラに移行する必要はない。一方では、反復するタスクに人員のリソースやコストを当てることは得策ではない。
Netflixが開発したテストツール「Chaos Monkey」を考えてみよう。故意にシステム障害を引き起こすこのツールを使って、エンジニアはシステム障害からの回復力(レジリエンス)を高める仕組みを検討できる。この手法は運用チームの負荷軽減に直結する。ITチームがNoOpsによって実現を目指すのは、この種の回復力と効率性だ。より具体的に言えば、想定通りに稼働しているかどうかを誰かが手作業でチェックする必要のないシステムを選択し、自動化を実装する。
自動化
開発者やエンジニアが目指すべきところは、「自己修復システム」の設計だ。自己修復に失敗したときに明確なアラートを発するシステムの設計も必要になるだろう。自己修復でまず実現しなければならないのは、問題を引き起こす根本原因を自動的に解決することだ。運用への影響は全くなくすことが理想だが、最小限に抑える程度でもいい。
自己修復の実装方法として、次のような手法がある。本番運用に移行したソフトウェアで何らかの障害が発生した場合、エンジニアはその障害を監視するための実行ファイルを、コマンドラインツール「PowerShell」や「Bash」のスクリプトで作成できる。このスクリプトは、特定の問題が再発した際にエンジニアにアラートを発し、同時にシステムを再起動させるための各種のコマンドを実行する。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
技術文書・技術解説
[Jamf Japan 合同会社] MDMだけでモバイルセキュリティは十分? 不足する対策を16項目でチェック -
事例
[Wrike Japan 株式会社] 世界的な家電メーカーが実践する「クリエイティブプロセス効率化」の方法とは? -
事例
[Wrike Japan 株式会社] 世界的テクノロジー企業に学ぶ、プロセス標準化とプロジェクト納品自動化の秘訣 -
事例
[Wrike Japan 株式会社] ソニー・ピクチャーズ テレビジョンに学ぶ、次世代サービスデリバリーのヒント -
製品資料
[株式会社ウェーブスプリッタ・ジャパン] 100Gbps対応の光トランシーバーはどう選ぶ? 10分で分かる選定のポイント
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
2
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
-
3
AI全部入り「Microsoft 365 E7」に企業が二の足を踏む訳 移行意向はわずか4%
-
4
エンジニアが選考を辞退する本当の理由 7割が隠す“面接の違和感”とは
-
5
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
6
AWS障害でも補償ゼロの衝撃 サイバー保険で情シスが見落とす「細則の壁」
-
7
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
8
【基本情報技術者試験】「デュプレックスシステム」と「デュアルシステム」の違いは?
-
9
マンガで解説:採択率は3割台? デジタル化・AI導入補助金申請の落とし穴
-
10
なぜOpenAIやAnthropicのAIは「脱走」したのか 情シスが迫られるエージェント統制
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
生成AIのハルシネーションを防止 回答精度を高めるセマンティックレイヤーとは
-
2
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
3
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
4
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
7
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
8
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
-
9
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
10
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー